社長がお呼びです。６ (ページ39)

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昨夜、晴子が追い返してから、
章ちゃんから全く連絡ないんだ。

今朝から東京なんだから当たり前と言えばそうなんだけど・・・

でも、
移動中にも、
前ならラインくれてた。

「愛理ちゃん、どうしよう。
私が素直じゃないから、
安田社長の方が怒ってるのかも」

不安で胸が潰れそうだ。

「大丈夫やって。
安田社長がAちゃんに怒るなんて、
想像出来ひんもん。
何が理由なん？」

「原因は私の不安病かなあ」

そう答えたら、
愛理ちゃんが噴き出した。

「歯周病みたいに言うんやね」

「そんなつもりないけどなあ」

やっとちょっと笑えた。

「はあ・・・
そろそろ戻ろっか。
遅くなったら、
真琴先輩にキレられちゃう」

「うん。そろそろ行こっか」

砂場を通り過ぎる時、

スコップ持った、
2．3歳の男の子が、
可愛いらしく、手を振ってくれた。

「バイバイ。ハートのお姉ちゃん達」

私がしたみたいに、
ハートを指で作ってる。

あまりの可愛いさに、
愛理ちゃんと思わず、顔を見合わせた。

「バイバイ」

「バイバイ」

二人で男の子に挨拶して、
会社に戻って来た。

デート中や仕事中に、
小さい子を見かけると、
章ちゃん、
本当に可愛いなあって目を細めてる。

どの子とも、
すぐに仲良くなっちゃうし、
姪っ子ちゃんたちの事も可愛いがってる。

早く子供が欲しいな、って、
出来たら３人以上がええな、って、

口癖みたいに言ってるんだ。

まだ出産や子育ては想像出来ないなりに、

私も3人姉弟で育ったし、
漠然と、子供は３人出来たらいいなあ、なんて、
考えるようになってってる。

章ちゃんにそっくりな男の子が欲しいんだ。

はっきりした未来だったはずが、
今はぼやけ始めた。

私たち、無事に、結婚、出来るのかな・・・