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「うん。
全然上手く出来ひんかったのに・・・
可愛かった、めっちゃ嬉しかった、
愛理、ありがとう、って言われて、
びっくりした。
私もありがとうって答えたら、
なんで？って、きょとんてされてん。
痛くて怖かったのに、
俺に預けてくれてありがとうって、
もう一回言われて。
それから、ヤバい、幸せで、溶けそうって」
愛理ちゃんがのろけるなんて、かなりレア。
よっぽど幸せなんだな。
「神山くん、可愛いなあ。
でれでれだね。
もう愛理ちゃんのこと、
離せないよ」
「そうやったらいいけど・・・
前より幸せやのに、
前より不安やねん。
なんでやろう。
智を失うの、もう無理やと思う。
怖い」
気持ち、すごく分かる。
でもその前に。
「二人の時は智って呼んでるんだ」
ここは見逃せないポイントでしょ。
愛理ちゃん、
ちょっと膨れて。
「・・・Aちゃんも、
章ちゃんって呼んでるやん」
私の事、拗ねた目で見るの。
「愛理ちゃん、可愛い。
神山くんが溶けたくなるのも、
仕方ないよ」
「安田社長も一緒やん。
Aちゃんが可愛いくて仕方ない顔してはる」
「そうかな・・・
社長はみんなに優しいから。
私にだけってわけでもないよ」
「どうしたん？
社長となんかあったん？
Aちゃん、おととい、
他の男の人と一緒やったし・・・」
「あの人は、安田社長の友達。
私の前の職場の先輩で、
ほら、前に話してた、
インフィニティアートを紹介してくれた人なの」
「Aちゃんと安田社長を会わせてくれた、
恩人さんやね」
「うん。そうだね。
今ね、実は喧嘩してるの。
安田社長の八方美人っぷりに、
私、すっごく怒ってるの」
ううん。
ほんとは怒ってなんかなくて。
不安なだけ。
いつかまた、麻美さんのところに戻っちゃうかもしれない、
章ちゃんの運命の相手は、
麻美さんなのかもしれない、って・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
