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梅酒片手に晴子がやって来たのは、１９時頃。
二人でお酒飲んで、
喋り続けてたら、
インターフォンが鳴った。
はたっと動きを止めて、
晴子と顔を見合わせる。
「A・・・開けんでええから。
聞いて」
章ちゃんの声。
合い鍵、持ってるのに、
やっぱり勝手に入って来たりはしない。
私よりも、
まだ、麻美さんの方が、
章ちゃんに近い。
いつになったら、
追いつけるの？
「A、私が出て来る。
すぐに甘い顔しない方がいい」
晴子がすくっと立ち上がった。
目が据わってて、
完璧に酔ってたけど、
大丈夫かな。
晴子が出てったドアの隙間から、
章ちゃんの姿が少しだけ見えて。
やっぱり、胸がきゅうって鳴く。
何を話してるんだろう。
すごくすごく長い時間が流れた気がする。
落ち着かなくて、
部屋を飛び出しそうになって。
なんとか、自分を抑える。
晴子がやっと戻って来てくれた。
「社長さん、帰ったよ。
Aの気持ちが落ち着くまで、
そっとしておいてあげてって、
言っておいたけど。
良かった？」
「うん、ありがとう・・・」
「かなり落ち込んではったよ。
気の毒なぐらい」
「晴子、どっちの味方なの？」
「もちろんAやけど。
いつも明るくて可愛い社長さん、
別人みたいに見えたわ」
このままじゃ、
素直になるやり方、忘れてしまいそう。
それがこんなに怖いのに・・・
章ちゃんのせいにして、
こうして、殻にこもっていたい。
まだ向き合う勇気がない・・・
月曜がやって来てしまった。
どうしても章ちゃんに会ってしまう。
ビクビクして出社したけど、
章ちゃんは急な東京出張でいなかった。
「はあ・・・」
でっかくため息ついた時、
神山くんが出社して来た。
隣のデスクに座って、
こっちを、苦い顔してちらっと見る。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
