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玄関まで章ちゃんをお見送り。
そこではたっと思い出した。
「章ちゃん、ちょっと待ってて」
プレゼントは昨日のバッグの中。
「忘れ物？」
何にも疑ってない章ちゃんが、
にこって笑って聞く。
「うん。
誕生日プレゼント。
昨日、渡しそびれて・・・
でも今日の２３時５９分まで、
お誕生日だもんね。
はい、どうぞ」
すっごく照れる。
プレゼントって、
貰うだけじゃなくて、
渡す方もドキドキする。
「ありがとう・・・」
章ちゃん、箱から取り出して、
びっくりしてる。
「これって・・・
合鍵？」
「うん。
新しい家に行くまでの半年だけど・・・」
「めっちゃ嬉しい。
大事にするわ」
章ちゃんがふわって、
抱きしめてくれた。
胸がきゅんてなって、うるさい。
「駅まで見送りしたかったけど・・・
俺もお客さんと約束あって。
その後は渋やんの店で、
夕方の開店までまた練習やねん」
「私も行きたい」
「台風近づいてるからなあ。
今日はやめとこ？
明日またおいで？」
「明日は行ってもいいの？」
「昨日からちゃんと指輪してるからな」
「やった。
楽しみだなあ」
はしゃいでる私に、
目を細めた章ちゃんが、
不意打ちに、
短いキスくれた。
「じゃあ、行ってくるわ」
まるでここが家みたいな言い方して、
章ちゃんが出てって、
たったの１０分後に、
両親がやって来た。
なんとか間に合った・・・
すでにすっごい疲労感。
綺麗好き収納好きのお母さんが、
「割とちゃんと片付いてるじゃない」
いろんな場所、点検してくるから、
ひやひやしちゃう。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
