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雨の音で、
目が覚めた。
まだ霧雨だけど、
窓の外はどんよりしてる。
時計見たら、
もう、９時なの。
そろそろ両親がここに来ちゃう！
章ちゃんをゆらゆら揺らして起こす。
「章ちゃん、寝坊しちゃった。
なんで目覚ましの音、聞こえなかったんだろ」
最初は、
半分寝てて、
「まだ眠いぃ」
って甘えた声出してた章ちゃんも。
「もう９時過ぎてるの」
その言葉に、急に覚醒したみたい。
「ほんまや。
もうこんな時間？」
「もうすぐ両親がここに来るの。
この部屋、見たいんだって」
「そっか。
じゃあ、俺も挨拶するな」
私はめちゃくちゃ焦ってるのに、
呑気な返事が返ってくる。
「絶対にだめっ。
お母さんがブチ切れるよ。
同棲してるのかとか、
色々勘ぐられるよ」
「Aちゃんのお母さんにも、
挨拶したかってんけどなあ」
「来月でいいよ。
お母さん、厳しいから。
昨日、章ちゃんがここに泊まったって分かったら、
怒るかもしんない」
「そうなん？」
章ちゃん、目をまん丸にしてる。
章ちゃんちの家族はオープンそうだもんなあ。
章ちゃんのご両親とうちの親、
年齢はそんなに変わんないはずなのに、
この感覚の差は何だろう？
「分かった。
じゃあ、よろしく言うといてな？
俺、急いで帰るから」
「うん。ごめんね。
追い返すみたいで・・・」
「ううん、ええよ。
親孝行してな？」
章ちゃんより優しい人、
やっぱり知らない。
章ちゃんの歯ブラシと髭剃り、
着替えは全部、ひとまとめにして、
クローゼットの奥へ。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
