社長がお呼びです。３ (ページ7)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:299,988 hit

１０２ページ7

そんな可愛いく聞くの、ずるい。

それに、
私がめまぐるしさに余裕なんか全くなくなってたの、
気付いてたんだ。

「社長は・・・
どうして、あわあわしないの？
私・・・
こんなの・・・」

「んー、俺は男やから。
近付けて、
嬉しいのが勝ってまう。
もっともっとAちゃんのこと知りたい」

「余裕なんだ。
私だけ、こんなに緊張でガクガクで、
社長は・・・」

言いかけたら、
ぎゅって抱きしめられた。

「余裕、あるように見える？」

耳元に苦しげな声が聞こえて、
胸がきゅうって鳴く。

「余裕なんか、これっぽっちもない。
Aが欲しくて、
・・・苦しい」

掠れたささやきが、
切なく聞こえて。

ふと社長の腕の中で、
顔を上げたら、

苦しげな社長と視線がぶつかる。

「私も、同じです・・・。
早く私だけの安田社長になって欲しい」

答えたら、
社長が、少しびっくりな顔して、
それから優しく笑ってくれた。

「そんな可愛ええこと言うて。
もう知らんで？」

いたずらっぽく聞いた後に、
降って来たキスは、
短くて、可愛いの。

何度も何度も。

少しずつ、深くなってって・・・

カラダに力が入らなくなって、
このままだと、
ずるずるベッドに倒れちゃいそう。

「ほんま可愛いな。
もう止められへん。
全部、俺のにしたい」

社長の声が甘ったるくて、
もう、溶かされて、
形なんかなくなりそう。

でも、まだダメ。

「あの、
社長・・・」

先にシャワー浴びたいです。

なぜかそれだけを言うのが、恥ずかしくて、
言葉に詰まる。

どのタイミングで、切り出したらいいの？

「ん？まだ焦らすん？」

「違って・・・
社長の好きにしていいけど・・・」

「そんなん、言われたら・・・
たまらんわ。
ほんまの小悪魔ちゃんやな？
はよシャワー浴びよ。
俺が洗ったろか？」

社長の方から言ってくれてほっとしたけど・・・

「一緒になんて入りません。
また変なこと言うんだから」

ほんと、油断も隙もないんだから。

「変なことかなあ？
恋人同士やのに？」

にこにこしてて、本気かどうかも分かんない。