社長がお呼びです。３ (ページ11)

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社長の広い肩、押したら、
布団がずり落ちちゃって。

あわわってなってるうちに、
むぎゅうって抱きしめられた。

恥ずかしいけど、
幸せ過ぎて、
されるがまんまになってた。

「今から仕事やねんけど。
夕方には体、空くから。
どっかデート行こか。
迎えに来るわ」

「ほんとですか？
嬉しい！」

声が気恥ずかしいほど、
はしゃいじゃってる。

「どこ行きたい？
夕方からやから、
そんな遠出は出来ひんけど・・・」

「社長といっぱい行きたいとこあるの。
でも社長とだったらどこでも嬉しい」

「またそんなん言うて。
どんだけ惚れさせたいん？」

冗談めかした、
照れくさそうな社長の言葉。

嬉しくて。

「・・・ほんと？」

聞かないようにしてたけど、
ついに聞いちゃった。

昨日までより、
私のこと、好きになってくれた？

「嘘ついてるように見える？」

ほんとは分かってるの。

昨夜、一つになってから、
安田社長の私を見つめてくれる目、
前よりもっと、
優しくなった、って・・・

黙ったまんまでいたら、
軽く抱き寄せられて、

「これ以上は好きになられへんわ」

耳元に囁かれた。

だめだ。

朝から刺激が強くて・・・

「社長、朝ごはん、どうしますか？
トーストとハムエッグぐらいなら作れますけど・・・」

二人で朝ごはんって、憧れちゃう。

腕時計、ちらっと見て。

「ごめん。
商談、もう行かなあかんねん」

断られちゃって、ちょっとしょんぼり。

顔に出したつもりじゃなかったのに。

「寂しいな？
ごめんな？
明日は休みやから、
二人でゆっくりしよな？」

なだめられて、
子供っぽい態度取っちゃって反省。

「はい。
仕事、頑張って下さい」

「Aちゃんはまだ寝とき？
昨夜、かなり無理さしてもうたから。
疲れてるやろ？」

また赤面するような事、言ってくる。

「そんな、全然平気。
大丈夫です」

慌てて否定した私の頬にキスして。

「ほんま？
じゃ、今日の夜も期待しとく」

もっと頬が熱くなるようなこと言ってくる。

今日の夜も、
昨夜みたいなの、するの？

そんな事言われたら、
思い出しちゃうよ・・・

玄関先まで見送る私に、
軽くキスして。

「じゃ、行って来ます」

社長は慌ただしく出かけて行っちゃった。