8th temptation【濡】 ページ8
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｢あら、起きたのかい｣
頭鳴りが酷く起きても視界が揺れるため、ここが保健室だと気付くまで時間を要した。
ついさっきまで情欲を掻き立てられるような夢を見ていた気がするが、内容は少しも覚えていない。
｢時代錯誤かもしれないけどねえ。男の子なんだから、もっと女の子に優しくなさいよ｣
リカバリーガールはシンリンカムイモチーフのペッツをポイポイっと振り、爆豪は無言でそれを口に放り込む。
｢少しでも隙を突かれたのが悔しいかい？｣
あぁ、その通りだと思う。
いつも笑顔で誰からも好かれていて、発言力やカリスマ性のある同級生の女にヒーローの能力ですら劣ってしまえば、自分の取り柄なんて無くなってしまうと思った。
｢……完全勝利したかった｣
｢甘いこと言ってんじゃないよ、あの子は強いんだから｣
「色んな意味でね」と注射器を模した杖を突きながらワークチェアに座り、花が綻ぶように笑う。
｢ヒーロー業はね、物理的な
口の中で噛み砕いたペッツが海外特有のケミカル味を残して溶け消え、ザリザリとした粒もやがて無くなった。
｢おばあちゃーん、爆豪くん目覚ました？……あ、おはよ！｣
｢はいはい保健室では静かにね｣
リカバリーガールから一口サイズのチョコレートを貰ったAはわかりやすく喜びながら羽を上下させ、ゆっくりと爆豪のベッドに近づく。
｢なんでテメーはピンピンしてやがンだ｣
｢あはは……私は直撃しなかったからさ、ひざし君のアレ｣
それでも30分前までAも眠っていたらしい。窓の外は朱色が混ざった紫陽花色の夕陽が広がっていた。
｢クソ、寝てられっか｣
｢わ、急に動いちゃダメだよ｣
一刻も早く寮に戻ろうと立ち上がるも、よろめいて壁に手を突いた直後ふわりと両足が宙に浮く。
｢ハァ！？お前、何して____｣
濁っていた意識が段々と鮮明になり、意中の女におぶられていることを悟る。
｢離せ！下ろせやボケ悪魔！｣
｢シッ。病み上がりの人は絶対安静ね｣
んしょ、と勇ましく爆豪を背負うAのポジションは普通ならば反対だと思うが、1周回って似合って見えた。
｢それじゃ失礼しましたーッ｣
｢また何かあったらおいで。というか重くないのかい？｣
｢うん、全然平気！オプティミリス号、出発進行〜！｣
廊下から寮までの道のりで、何人の生徒に指を差されただろう？もはや、考えたくもない。
まあ、色恋地獄はこれから始まるのだが。
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9th temptation【艶】→←7th temptation【嬌】
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いぎえええ - あ、神作品発見好きですっっっっ！ (12月21日 19時) (
レス) @page22 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
はっぴぃ - いやー!!!夢主ちゃんえろっち過ぎません!?!?(褒め言葉) (5月29日 23時) (レス) @page22 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
たま - 毎日の楽しみにしてます✨いい感じにドキドキして面白いです！！ (2023年2月15日 21時) (レス) id: 4d751a3a6e (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - くっころバクゴーありがとうございます。かなり年頃男子の気持ちの表現が上手くてスゴいなって思います。面白い、センスに満ち溢れてる作品、楽しませて貰ってます (2023年2月6日 13時) (レス) @page11 id: 451f22a787 (このIDを非表示/違反報告)
レモの仮眠室 - 何でだろ、散々擦られたネタなのに見たことない (2023年2月4日 19時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2023年2月4日 0時
