14th temptation【痺】 ページ14
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あぁ、またAに翻弄された。
イラつきながら開封したシリアルバーを噛み砕き、くしゃくしゃに丸めた包装紙を緑谷の机へ乱暴に置く。
｢えっ｣
僕が捨てなきゃいけないの？と瞳を震わせた緑谷は逆らうことも出来ずゴミを片手に席を立つ。
ちなみに付箋だけは、こっそり剥がしてペンケースの中に隠した。他意はないぞ、本当に。
｢か、かっちゃん。次は自分で捨てて欲しい、かな……｣
好きな女からのメモ書きを取っておきたい気持ちなんか、少しも無いからな？
｢うるせえ｣
｢ヒイッ｣
何か言いたげな表情を隠す緑谷を後ろに、いつも通りの土曜日授業が始まる。
｢(……ガチ退屈)｣
｢オイラは20歳そこそこで億万長者狙うぜ！｣
1時間目、家庭基礎で配布されたのは「生活設計シール」をシートに貼りながら将来を想像し、身の回りの生活資源を用いて予期せぬ出来事への対応を考えるという授業だった。
本当につまらない、こんなもので人生を推し量れるものか。
初速度40[m/s]、加速度-2.5[m/s2]で運動する物体の出発6秒後の速さvはいくらか。公式を用いて求めよ。(25[m/s])
｢サービス問題かよ｣
2時間目の物理基礎は予習復習をしていれば何の躓きも無く解けるような問題ばかりで飽き飽きする。
｢(何話してやがんだ、あいつら)｣
3時間目、情報C。最新の機材が並んだPC室で2列先に座るAと飯田の姿が見えた。
あー。わかる、わかるぜ。
その距離感で目を合わせられると胸が苦しくなるよな。
｢(な〜んも聞こえねー)｣
長い睫毛に魅惑的な口元、艶やかな髪と洋梨や鈴蘭を混ぜたようなヘアオイルの香りに何度酔いそうになったことか。
｢なんか今日大人しいな、爆豪｣
｢流石に元気無いんじゃねーの？｣
｢5限終わりプレマイ先生、2人に謝ってたよね｣
背後で話す切島と瀬呂の言葉は聞こえているが、反応する気が起きず机に伏せる。
｢結局、何も喋ってねえや……｣
取り出した付箋を自室で見つめていた。
国語総合、英1、数Aの時間もあっという間に過ぎて一日が終わり、Aと話す機会は作れず仕舞いで今に至る。
｢……｣
静かな夜だ。
いつもは下階から上鳴と峰田の駄弁り声や女子のキャッキャとした会話が聞こえてくるのが普通だが、今日はやけに無音だった。
｢おっ｣
｢うわ、ンだよ人の部屋ん前で突っ立ってんなや散れ｣
｢今ノックしようと思ってたんだ｣
少しでもAと話したいと思いドアを開けるとそこには、神妙な面持ちをする轟が居た。
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いぎえええ - あ、神作品発見好きですっっっっ！ (12月21日 19時) (
レス) @page22 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
はっぴぃ - いやー!!!夢主ちゃんえろっち過ぎません!?!?(褒め言葉) (5月29日 23時) (レス) @page22 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
たま - 毎日の楽しみにしてます✨いい感じにドキドキして面白いです！！ (2023年2月15日 21時) (レス) id: 4d751a3a6e (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - くっころバクゴーありがとうございます。かなり年頃男子の気持ちの表現が上手くてスゴいなって思います。面白い、センスに満ち溢れてる作品、楽しませて貰ってます (2023年2月6日 13時) (レス) @page11 id: 451f22a787 (このIDを非表示/違反報告)
レモの仮眠室 - 何でだろ、散々擦られたネタなのに見たことない (2023年2月4日 19時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2023年2月4日 0時
