1st temptation【誘】 ページ1
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愛とか恋とか蜜のように甘く口に含めると綿飴の様に溶けてしまいそうな浮ついた心は、何にも代え難いほど美味しい。
『好きだよ』
『必ず幸せにするから』
『愛してる』
赤く熟れた恋心が破瓜と共に不規則に裂け、ぱらぱらと散り、耳を塞ぎたくなるほど止め処ない色恋が咲き誇る。
毎日毎日、よく飽きないものだ。
眺める煩悩の川から欲望に負けた声が響く。
＊＊＊
｢ううッ、クソがよぉ、裏切り硬化野郎！｣
ハイツアライアンスの共同スペースで峰田実が血の涙を流す。
｢ひや、ひつまで妬んでんの。もう諦めほって｣
上鳴は充電ケーブルの先端を咥え、無意味にもぎったボールをテーブルに貼り付けて自身の額をブニブニと跳ねさせる峰田を溜め息混じりで見ていた。
｢諦められるか、オイラの夢！健全男子高校生全員の夢！ドスケベ催眠色欲女からの誘惑をよぉ！｣
｢クラスの女子にひでー言いよう｣
呆れた表情をした上鳴は携帯の充電量が90%を超えたのを確認し、くるくるとコードを纏めると憐れむように峰田の肩を叩く。
｢お前にはまだ早いんだって。あの“気持ち良さ”ってヤツがさ｣
｢ンギイイィ！｣
羨望のボルテージが最高潮に達したところで峰田は勢い良く立ち上がり、どたどたと廊下への扉を開くと｢ふよん｣と柔らかな感触に包まれた。
｢わぉ、今日は3割増で積極的だね？｣
｢ﾋﾟｷｬｱｧｱﾟ！！｣
たわわなAの胸にバウンドした峰田は叫びながら気を失う。
｢僥倖ノ極ミデゴザイマス……｣
｢えーっと、困ったなぁ｣
Aはバスタオル1枚だけを体に巻いて火照った顔をしており、尾骨から伸びたスペード型の先端をした尻尾で峰田を縛り上げる。
｢あらら、鼻血出てるし垂れてるし。私のしっぽに付いちゃったしマジ最悪〜……｣
白目を剥いて血をぽたぽた滴らせる峰田を数秒見つめてからAは上鳴と目を合わせた。
｢ねえ、この子どうにかしてくれる？｣
｢えっ、あ｣
上鳴が言われるがまま、悔いのない表情をする峰田を受け取るとAはテーブルに置いてあったボディオイルを掴んで、たったか廊下に向かって行く。
すれ違いざま、瑞々しいフローラルの香りが鼻腔に残る。
｢ありがと。じゃ｣
｢あー、うん、ども……｣
風呂に入った後のAの血色は特に艶々しく、熱がせり上がってくるみたいな心地良さに溶けてしまいそうだ。
｢電気くん｣
｢へ？｣
｢このこと、内緒ね♡｣
あぁ、本当に。
いつ体感してもコレは、ヤバい。
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いぎえええ - あ、神作品発見好きですっっっっ！ (12月21日 19時) (
レス) @page22 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
はっぴぃ - いやー!!!夢主ちゃんえろっち過ぎません!?!?(褒め言葉) (5月29日 23時) (レス) @page22 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
たま - 毎日の楽しみにしてます✨いい感じにドキドキして面白いです！！ (2023年2月15日 21時) (レス) id: 4d751a3a6e (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - くっころバクゴーありがとうございます。かなり年頃男子の気持ちの表現が上手くてスゴいなって思います。面白い、センスに満ち溢れてる作品、楽しませて貰ってます (2023年2月6日 13時) (レス) @page11 id: 451f22a787 (このIDを非表示/違反報告)
レモの仮眠室 - 何でだろ、散々擦られたネタなのに見たことない (2023年2月4日 19時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2023年2月4日 0時
