かわいいひと ページ4
一織さんは眼鏡をかけ、帽子を深く被った。
「行きますよ。」
『は、はい…』
歩き始めたのはいいものの、なんとなく、微妙な空気が流れている。
辺りはもう薄暗い。たくさん喋っちゃったなあ…
そう言えば、三月さんはよく喋ってよく笑っていたけれど、
一織さんは口数も少なく、話しかけられたら返す程度であまり笑わなかった。
(何…喋ったらいいんだろう…)
一織さんと私の間に沈黙が続く。
私はやっとの思いで口を開いた。
「一織さんって、見た感じ三月さんのお兄さんですよね！お二人共、おいくつなんですか？」
私がこう言った瞬間、すごい剣幕で一織さんが言った
「私が弟です。…三月はわたしの兄さんです」
やってしまった！と私は口をつぐんだ。
すごい失礼なこと言っちゃったんじゃ…
『ごっごめんなさい本当に！！！失礼しました！！！！！』
私は慌てて謝る。
明らかに不機嫌になってしまった。
どうしよう…
「私は17歳です。兄さんは21歳。」
一織さんはふと口にした。
『一織さん、同い年？！！！？ですか？！！！？うっそ…！すっごく大人っぽいので驚きました…』
「話口調や態度が年相応でないと、よく言われます。あなたこそ、年下だと思っていました」
『えへへ…幼いねってよく言われるんです』
「あなた…これ…」
一織さんが、ふと私のカバンに付いているストラップを指さした。
『あ、これですか？ろっぷちゃんですよ。うさぎの』
私がそう言った瞬間、今までテンションの低かった一織さんの目が急に輝いたように見えた。
「あなた、その…それ。ろ、ろっぷちゃん…好きなんですか…」
『一織さんこそ、よくご存知で…！』
「べ、別に。スーパーなどでよく売っているでしょう？！よく見かけるだけです…
これ、ろっぷちゃんシリーズvol.3のおリボンろっぷちゃんですね。」
『やけに、詳しいですね…』
「別に、集めてるわけではありませんから！これくらい常識の一部ですから…！！」
なんだか、顔を真っ赤にして話す一織さんがとても可愛く見えた。
『一織さん…かわいい』
「…っ！！！」
一織さんは顔を真っ赤にしてこちらを向いた。
やばい、心の声が漏れてしまった…！
「そんなこと…あなたに…言われたくないです…っ！！！！もう！ほら、え、駅着きましたよ！」
『あっ…！ありがとうございました！』
「…お気をつけて。ケーキ…落とさずに」
私はぺこりとお辞儀をしてホームに向かった。
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双葉 - イケメンすぎてsiんでしまう(-_-) (2020年5月16日 15時) (
レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
てまり(プロフ) - 兎さん» 本当ですね…！小説内に薄ピンクとの記述がございました！ご指摘どうもありがとうございます(*^^*) (2018年2月12日 23時) (レス) id: c22cf9b073 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - あれ？三月の髪ってオレンジじゃなかったっけ？ (2018年2月12日 10時) (レス) id: 8632d56fb1 (このIDを非表示/違反報告)
てまり(プロフ) - Maiさん» コメントありがとうございます！一途な一織とても素敵だと思います(^^)/~~~ (2018年2月9日 23時) (レス) id: e216d6bd68 (このIDを非表示/違反報告)
Mai - 激愛の一織に好きって言ってもらえるなんて…本当に嬉しい… (2018年1月26日 0時) (レス) id: 8f96dea368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てまり | 作成日時：2017年6月23日 0時
