喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ35)

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トドメの証拠ページ35

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翔ｓｉｄｅ

「では、なぜ証人は
　黒にしか見えないジャンパーを
　緑だと証言したのか？
　それは緑色のジャンパーを着た人物が、
　事前にその場所を通ることを
　知っていたからではないですか？
　緑色のジャンパーを着た人が
　通る時間に合わせて、
　わざわざガード下を通り目撃したと
　証言したのではないのですか？
　赤木さんの犯行だと印象付けるために。」

「意義あり！！」

俺のこの発言に、検事がまたも手を挙げた。

「弁護人は
　自分の意見を述べているだけです。」

「意義を認めます。
　弁護人は質問を変えてください。」

今回は検事側の意義が認められ、裁判官に指摘された。

「只今の塙望美証人の証言により、
　赤木さんが犯行現場に居たことは
　断定できません。
　弁護人の質問は以上です。」

俺がそう言って席に着くと、裁判官が検察官に再主尋問を行うか聞いていた。

「赤木さんの顔を見たと、
　おっしゃいましたよね？」

検事は立ち上がり、望美さんに尋ねた。

けれど、望美さんは返答できずに目を伏せた。

「検察からは以上です。」

検事は憤然とした様子で席に着いた。

「これで証人尋問は終了します。
　証人は傍聴席に戻ってください。」

「裁判長！！
　ここでもう１つ、
　追加の証拠取り調べ請求を
　させてください。」

智君が裁判長の終了合図後に追加請求を申し出た

「どんな証拠ですか？」

「赤木さんに
　アリバイがあった証拠として、
　赤木さんの体内から
　睡眠薬の成分が検出されたという
　鑑定書の証拠請求です。
　ちなみに、おいらたち、
　犯人が誰なのか、
　分かっちゃってるんですけどね～。」

智君のこの発言に、法廷内は再びざわついた。

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