喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ30)

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何かが違う・・・ページ30

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翔ｓｉｄｅ

この日も遅くまで居残り。

智君は和と一緒に出掛けたきり戻ってないし、潤と雅紀はこれまでの資料に穴が無いか、もう一度調べてくれている。

今、ブースに残っているのは俺とAだけ。

「A、今日はもう上がろう。
　夕飯、一緒にどうだ？」

俺がそう声を掛けると、１回は断ってきたA

半ば強引に誘って、２人でカフェへ。

少し遅めのディナーを食べて、そこのケーキをAが気に入ったからお持ち帰りでもう１つ購入。

食事を終えて、遠慮するAを説得し、駅まで送る。

駅前のガード下。

さっき買ったケーキの入った紙袋を大事そうに抱えるA。

「そんなにおいしかったの？」

「はいっ。今度また、
　みんなでケーキ食べに行きましょう！！」

こういう所を見ると、やっぱり可愛いなぁって思っちゃう。

・・・あれ？

「どうしたの、翔君？」

Aの持っていた紙袋、何かが引っかかる。

「A・・・。
　その袋ってさ、黒かったっけ？」

「えっ・・・？」

Aから紙袋を借りて、俺はガード下の真ん中あたりまで走って、紙袋をかざす。

自分の手でランプの光を遮ったり、またランプの下にかざしたりと繰り返す。

「何が、違う・・・？」

俺はガード下を見渡し、ふとナトリウムランプの下で立ち止まる。

「・・・これ、か・・・。」

俺の中で途切れていた線がようやく繋がった。

Aを駅に送った後、俺はブースに戻った。

中には智君も居て、何やら資料を呼んでいた。

「智君・・・。
　ようやく見つけたよ、真実の欠片を。」

俺がそう言うと、資料から顔を上げて

「おいらも。
　いいもの見つけちゃった。」

智君はそう言って、俺にｍａｘＶの調査報告書を渡してくれた。

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