喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ27)

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新たな証言ページ27

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翔ｓｉｄｅ

その日のうちに、俺とAは検察庁に赴いた

今回の事件の担当検事に会うや否や、Aが

「どうして赤木さんに
　家族がどうにでもして欲しいって
　言ったなんて嘘をついたんですか？」

って怒った表情で聞いていた。

「何のことでしょう？」

「嘘をついてまで、
　自白させたかったんですか？」

「話はそんな事ですか？
　私も忙しいんですが。」

明らかに不快そうな表情をした検事。

Aはまだ言い足りなさそうにしていたが、俺はそれを遮って

『塙家防犯カメラ映像の再現検証資料』を出した

「防犯カメラの映像を、
　我々の方で検証しました。
　赤木さんは何者かに睡眠薬を飲まされ、
　眠らされていた可能性があります。
　誰かが赤木さんに成りすまして
　犯行を行ったかもしれない。
　この方向で、もう一度
　捜査をしてもらえませんか？」

「これは間違いなく赤木の犯行です。」

俺の頼みに、検事は資料を見ずに突き返してきた

「資料には
　ちゃんと目を通してください。」

Aが再び資料を検事のほうへとすべらせるが、検事は完全に拒否の姿勢。

「見る必要はありません。
　ご主人が亡くなったショックで
　体調を崩されていた塙社長の奥さん、
　病状がようやく安定しましてね。
　事件当日の事を
　話してくれたんですよ。
　あの日の夜、奥さんは
　目撃していたんです、赤木の事を。
　犯行時刻の10分後。
　ガード下で緑色のジャンパーを着た
　赤木に奥さんが『赤木さん』と
　声を掛けたそうです。
　赤木の起訴は揺らぎません。
　どうぞ、お引き取り下さい。」

検事は席を立ち、ドアを開けた。

俺らは仕方なく、その部屋を後にした。

「奥さんの証言、ね・・・。」

新たな証言。

これはどうしたものか・・・。

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