喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ26)

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リーダー参上！ページ26

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和也ｓｉｄｅ

まー君が何度やっても顔が映ってしまう。

運動神経だけは良いはずなんですけどね、彼は

「んじゃぁ、次おいらの番～。」

いつの間に起きていたのか・・・。

さっきまでモニターを監視する私の隣で舟を漕いでいたリーダーが、門に見立てたスタート地点に立っていた。

「智君・・・。居たんだ・・・。」

「最初からココに居たさ～。
　寝てたけど・・・。」

皆がリーダーの登場に驚いている中、この人だけはマイペースに

「大野、いきまーす。」

と、いつも通りの声のトーンで開始を宣言。

「まずは扉をのぼって～。
　顔が下向きのままで、
　背中をくるりと～。」

「大野さん？
　変な解説は良いから。
　ちゃっちゃとして下さい。」

動きながらリズミカルに解説をしてくれるリーダーにツッコミを入れて。

「顔を隠して、
　後ろに～さがーるぅ～・・・。」

聞いてないですね。

この人・・・。

楽しんでいらっしゃる。

この後も、変な解説付きでどんどん進んでいくリーダー。

５台あった防犯カメラすべてに顔を映すことなく、ゴールである塙家の玄関までたどり着いた

これには徐々に増えていた従業員のギャラリーからも歓喜の声が上がった。

「和ちゃん、どーだった？」

拍手に迎えられて、リーダーがモニターの場所に戻ってきた。

「映像と全く同じです。」

私がそう伝えると、

「これは確かに不自然だね。」

っと社長が頷いた。

「犯人が顔を映さずに
　窓から侵入できたのは、
　それぞれのカメラが
　どこまで映るか把握して、
　何度か練習しないと無理だよねぇ～。」

リーダーのこの一言に、変証を見ていた翔さんが携帯を取り出し、

「担当検事に面会を申し込んでくる。」

と、この場を後にした。

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