喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ24)

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気になる資料ページ24

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翔ｓｉｄｅ

Aと２人で事務所に戻ると、

『赤木義男殺人被疑事件資料』

がいくつかの段ボールにまとめて積んであった

それぞれの段ボールには

『翔さんから言われた書類。
　
　①赤木義男氏の接見メモ起こし。
　
　②防犯カメラのキャプチャー写真。
　
　③ピルケースの写真。
　
　④塙家の図面。
　
　⑤塙家の防犯カメラ詳細。
　
　⑥世田谷区・杉並区の地図・・・』

などと、潤の字で書かれたメモがクリップで止めてあった。

それらを横目で見ながら、俺はデスクに鞄を置き、ファイルを取りだす。

その隣。

Aも自分のデスクに鞄を置いて、別の段ボールから資料を取り出していた。

「帰らなくて大丈夫？」

既に事務所には誰もいない時間。

俺に合わせて残っているのであれば、申し訳ないから。

「大丈夫です。
　それに、私も気になりますし。」

そう言って、再度資料に視線を戻したA。

しばらく2人で資料を漁って。

「やっぱりココかな・・・。」

一通り目を通して、一番引っかかった資料。

『火事に関する証言』

というファイルを取りだす。

「何でそれ？」

「あの夜火事があって、
　消防車が停まっていた。
　こんな近くでサイレンの音が
　鳴り響いていたのに、
　起きないなんて不自然でしょ？」

「やっぱり赤木さんは、
　事務所に居なかったって事ですか？」

「もう一つ、可能性がある。
　近くでサイレンが響いていても
　気づかないぐらい深く眠っていたか。」

「・・・睡眠薬でも
　飲んでたって事？」

「飲まされた
　って線も考えられるよね。」

「でも、どうやって・・・。」

「赤木さんは普段から
　高血圧の薬を飲んでいた。
　それを知っている人だったら、
　すり替えることも
　できたんじゃないかな？
　もしそうなら、
　防犯カメラに映った人物は、
　赤木さんに変装した別人って事になる。」

顔が映ってない防犯カメラ・・・。

俺はもう一度、防犯カメラの映像をじっと見つめた。

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