喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ21)

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現場観察ページ21

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翔ｓｉｄｅ

高級住宅街に立つ塙家に着いた頃には、辺りはもう薄暗くなっていた。

「なるほどなぁ～・・・。」

俺は現場を観察し、潤も防犯カメラの位置を確認しながら写真を撮っていた。

しばらくして、近づいてくる足音が２つ。

振り返ると、そこには雅紀とAの姿。

「お疲れ様です。
　何かわかりましたか？」

Aさーん？

敬語・・・。

まぁいいか・・・。

今回は聞かなかったことにして。

「普通防犯カメラって、侵入者の
　顔がわかる位置に設置するでしょ？
　だからさ、顔が映ってる
　カメラがあるんじゃないかって
　思って来たんだけど・・・。
　ないんだよね。」

「普通じゃありえないねぇ～。」

俺の回答に、雅紀も首をひねった。

この後もしばらく防犯カメラを確認して。

帰りはすっかり暗くなってしまった。

「人通り、少ないですね・・・。」

先ほどまでの高級住宅街とは打って変わり、ガード下をくぐる道は薄暗くて物騒にも思えた。

これじゃぁ、目撃証言も出てこないだろうな。

「大丈夫だよ、A。
　オバケなんて出ねーから。」

「なっ・・・
　もう怖くないもん！！」

潤の言葉に、顔を赤くして反論するA。

お化け、怖いのか。

「潤、明日の朝までに
　接見ノート書き起こしておいて。
　それと、防犯カメラの
　位置と角度の確認。
　それとこの地区の地図も。」

「了解です。」

Aを事務所まで送って・・・。

家まで送るって言ったんだけど、大丈夫って聞かないから。

今日はここで解散になった。

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