喜多川法律事務所は今日もにぎやかです［ＡＲＳ］ (ページ3)

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始まりの日ページ3

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Aｓｉｄｅ

私は、困っている人を助けたくて。

弱い人の味方になりたくて弁護士になった。

大学で４年間法律を学んで、司法試験に合格して・・・。

ようやく成れた弁護士。

でも、現実は違った。

卒業して、入社した法律事務所。

そこは私の想像していた場所とは違っていた。

事務所に届く事件の概要と弁護の依頼。

書類に書かれている事が全てで、それを基に裁判に臨む。

依頼人に寄り添うのではなく、事務仕事として淡々と依頼をこなす。そんな事務所だった。

３年間働いてきたが、どうしても私の理想と合わず、ついに退社を決意した。

退社届を所長に提出して、荷物をまとめて事務所を後にした。

これからどうしようか・・・。

当てもなく、自分の将来について考えながら家までの道を歩く。

ふと立ち寄ったコンビニ。

雑誌を立ち読みしていると、見覚えのある男の人がコンビニの駐車場で何かしていた。

あの人って・・・。

なんとなく気になって、読んでいた雑誌を置き、外に出た。

・

「防犯カメラの位置からして、
　この調書の身長は間違ってるんだよ。
　ほら、画像と違う。
　もしこれが正しい身長なら、
　ここに頭が来るはずだろ？」

「確かに・・・。
　調書に書かれている身長は
　俺と同じぐらい。なのに、
　画像の高さとは合いませんね・・・。
　やっぱり犯人は別の人？」

事件の捜査、かな？

男の人２人が資料と睨めっこしている。

「えっと・・・。
　どうかしましたか？」

「ふぇっ！？」

２人のやり取りをぼーっと見ていたら、１人に話しかけられた。

「えっと・・・ぁの・・・。」

「もしかして、A！？
　おれだよ、潤！！覚えてる？」

私が言葉に詰まっていると、潤君の方から話を振って来てくれた。

「ぅん。良かった、本物の潤君だぁ～。
　人違いだったらどうしようかと思った。」

「なんだよ、本物って・・・。
　あっ、翔さん。
　この人、俺の幼馴染のAA。
　こいつ、こう見えて弁護士なんですよ。」

潤君はそう言って、隣にいたもう一人の男の人に話しかけていた。

って、こう見えてってどう言う事かな？潤君。

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