第百八十七話 ページ38
「……淫行教師」
「お前こないだからそればっかだな。マジで後ろめたくなるからやめろ」
悔し紛れにぼそりと呟くと、先生はばつの悪そうな顔で私の額をぺしりと軽く叩く。
地味に痛いので患部を抑えてたら、癒すように撫でてくれる。変なところでスパダリだなぁ。ちなみにスパダリはスーパーダーリンの略で、高スペックな攻めへの称賛の言葉です。先生にぴったり。
「……ちなみに、私と先生の関係がバレたらどうなるんですか?」
「あー……生徒と付き合ってるってバレたら、まぁ良くて懲戒と休学だろ。最悪お前は退学、俺は職を失う。まぁそれより俺が社会的に殺されるんじゃねぇの。未成年に手出してんだから」
「……へぇ」
ちょっと考えてから、はた、と動きを止める。
「? どうした」
「……私たち、付き合ってるんですか」
「はぁ!? 俺が今しがたお前に何したと思ってんだよ!」
「だ、だって! 先生から好きって言ってもらってないし、私から先生に……言おうとしたのに、言わせてくれなかったし」
だんだん恥ずかしくなって、唇を尖らせる。
確かに付き合ってないとは言えない関係ではあるが、付き合ってるというには段階を飛ばしすぎている。
「……私だって女の子なんですから、ちゃんと、そういうところは気にするんです」
唇を尖らせたまま先生を見上げる。
すると、先生は顔をしかめたまま後ろ髪を掻いた。
「あーもうわかったから、んな捨てられた子犬みたいな顔すんな」
「……どういう顔ですかそれ」
むす、とした顔つきのまま先生は思い切り私の頬をその大きな両手で包み込む。
心なしか、耳が赤い。
「なにしゅるんでふか」
「うっるせーなお前! 可愛いっつってんだよそこは流しとけ!」
「かわっ……」
「ったく、あークソ、ちょっと黙ってろ」
いろいろ文句はあったが、言われた通りに黙る。
今喋ったたところで頬を押しつぶされてるのでちゃんと喋れるかどうかすら定かではないし。
目の前の先生は戸惑ったように口を開閉してから、口を閉ざして唸り声をあげる。
目の前で百面相されているようでなんだか愉快だ。ちなみにそろそろ私の頬を解放してあげてほしい。
「あークソ、心の準備できてねーっつの。爆弾落としやがって」
「……?」
ようやく私の頬を解放したかと思えば、肩にぐりぐりと額を押し付けてくる。
撫でればいいんだろうかと伸ばした右手をぐ、と掴まれた。
顔をあげた先生と目が合う。彼の顔は、真っ赤で。
「……好きだよ、ちゃんと」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ステラさん» うわー嬉しいです!幸せだと言ってもらえることこそが幸せです!本当に励みになります!本当にありがとうございます!! (2022年2月5日 23時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - 面白すぎて最近読み始めたのにもうここまできちゃいました!!!めちゃくちゃドキドキしてます!!素敵なものが読めて幸せです! (2022年2月2日 23時) (レス) id: 3475edfef8 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 彩華さん» ツボ!!!!!うれしい!!!!!!更新遅くて本当に申し訳ございません。励みになります。頑張って更新します〜!! (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - Amamiyaさん» ありがとうございます!亀更新にもほどがありますが、完結させず放置することは絶対ございませんので、たまに覗きにきてやってください…!応援、励みになります! (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - やばい。ツボすぎます!一気読みしちゃいました!更新頑張ってください! (2021年4月1日 22時) (レス) id: da4daeacca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月19日 17時