第百七十二話 ページ23
女性、ベラさんとはそこでお別れして、私は浮かない気持ちのままみんなと神社巡り。
二つ目の神社で引いたおみくじの結果は凶で、あまりにも不吉すぎて反射的にぐしゃりと握りつぶしてしまった。ちゃんと直して結んで帰ってきたけど。
そして旅館でクラス皆でご飯を食べて、今は夜の休憩時間。
代わりばんこの温泉で、私たちのクラスの番にはまだ時間が余っていた。千佳の分まで飲み物を買っておこうと一階に降りて、そこで先生がソファに腰かけてるのが見えた。
「せん、」
かけようとした声は、そこで止まった。
だって、聞こえたから。
「それで、マサオミに会ったんだけど、ありえないくらい変わっててね？」
「うっわ懐かしいな。まだ生きてんのか」
「生きてるに決まってんじゃん！ 髪の毛銀髪になってた」
「はぁ？ 公務員希望だろアイツ」
ソファに手すりを叩いて笑う先生は、すごく楽しそうで。すごく親しそうで。
そんな彼のすぐ近くに座って笑うベラさんと、すごくお似合いだった。
あぁ、ここに私はいてはいけないな、と瞬時に悟って、だけど足が竦んで動かなかった。
やっぱり来たんだ、なんて彼女を疎ましく思う気持ちに頑張って蓋をして、押し殺した。だって、私より美人で、私より綺麗で、私より先生のことを知ってる。
疎ましく思われるべきは、彼女じゃなくて私だ。
ようやく足が動くようになって、痛む心を無視して手ぶらのまま踵を返そうとした。
だけどその時、ばちりとベラさんと私の目があって、「あれ？」と彼女の口が動く。つられて、先生が私のほうを見た。
「昼間の子だ。拓虎の生徒だっけ？」
「あぁ。……邦月、どうした？ 今は風呂の時間だろ」
「あ、えっと……私たちの番待ちで、飲み物を買おうと、」
頭は真っ白なのに、口だけは別の生き物みたいにすらすら動く。
見ないでほしい。そんな綺麗な色の瞳で。先生と同じくらい、綺麗な色の瞳で。
「邦月？ 名前は？」
「……奏音、です」
「奏音ちゃん、時間あるんだったらこっちお話しよ？」
「おい」
先生が止めようとする。
二人きりで話すには、私は邪魔だから？
「いえ、すぐお風呂の順番が回ってきちゃいますので、私は……」
「少しだけ！ 拓虎が普段どんな先生なのか聞きたくて」
「やめろお前恥ずかしいだろ」
やっぱり止めようとする。
私が余計なことを言っちゃうかもだから？
「すごく、優しくて信頼が厚くて、慕われてますよ」
なけなしの笑みを浮かべて、失礼しますと頭を下げた。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ステラさん» うわー嬉しいです！幸せだと言ってもらえることこそが幸せです！本当に励みになります！本当にありがとうございます！！ (2022年2月5日 23時) (
レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - 面白すぎて最近読み始めたのにもうここまできちゃいました！！！めちゃくちゃドキドキしてます！！素敵なものが読めて幸せです！ (2022年2月2日 23時) (レス) id: 3475edfef8 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 彩華さん» ツボ！！！！！うれしい！！！！！！更新遅くて本当に申し訳ございません。励みになります。頑張って更新します〜！！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - Amamiyaさん» ありがとうございます！亀更新にもほどがありますが、完結させず放置することは絶対ございませんので、たまに覗きにきてやってください…！応援、励みになります！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - やばい。ツボすぎます！一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2021年4月1日 22時) (レス) id: da4daeacca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月19日 17時
