第百七十一話 ページ22
お守りを買って、私たちは次の神社へと移動することにした。道中で甘味を買って(ほぼ先生に唆された。私たちが買ったお菓子では足りなかったようだ)、少し行儀は悪いが食べ歩きをしている最中。
ふ、とそれはやってきた。
「……拓虎？」
それは、確か。
顔をあげて、私はその女性を見た。彼女が口にしたのは、先生の……下の名前。
どこか白に近い金髪に、ターコイズ色の瞳。外国人らしく高い鼻と彫り深い顔立ち。すらりとした体つきにまとった服装は、まるでその人のためにオーダーメイドされたかのように似合っていて。
太陽の光に照らされ輝く彼女の瞳は、真っ直ぐ先生をとらえていた。
「……ベラ？」
「やっぱり！ 拓虎だ！ 久しぶりー！」
先生が彼女の名前と思しきものを口にすれば、彼女ははっとしたように両手で口元を隠しながら喋り始める。その日本語の流暢さと外見があまりにもミスマッチで思わず違和感を覚えてしまう。
「え、今何してるの？ その子たちは連れ？」
「うちの生徒たちだ」
「えー！ そっか、拓虎先生になりたいって言ってたもんね！」
「そういうベラはなんでここにいるんだ……？」
「もー忘れちゃったの？ 私はプログラムに受かったからこっちで働いてるんだってば！」
まくしたてるように喋る女性に、だけど先生は戸惑うことなく返す。
あまりにも話に参加できないため、私たちは通行人の邪魔にならないように端っこへと移動した。
知り合い、で間違いないか。この様子を見て。どういう関係なんだろう……？
「そうか、うまくやってるみたいで安心した」
「うん私も！ っていうかここで会えるとは思ってなかった。一緒にご飯とか行きたいけど、離れるの難しそうだよね？」
「あー……それはたぶん無理だな。仕事なんでね」
苦笑する先生に、私は千佳たちの影に隠れて胸をなでおろす。
あまり、見ていて楽しいものじゃないな。
「そっか残念。まぁラッキーなのか？ アンタ、飲みだすと止まんないからねぇ」
「バァカ、生徒たちの前で何言ってんだよお前」
先生の肩を叩く女性と、それを気に介することなく楽しげに笑う先生。
自分に向けられていた笑みが、自分の知らない誰かに向けられてるのってなんか、こんなにむなしいものなんだ。
「っていうか旅館どこ？」
「あー、桜閃ってとこ」
「えっそこ近所だよ！ 私今夜遊びに行っていいのかな？」
「どうだろ、いいんじゃね？」
ダメって言えたらいいのになぁ。
口を閉ざしたまま、私は視線を落とした。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ステラさん» うわー嬉しいです！幸せだと言ってもらえることこそが幸せです！本当に励みになります！本当にありがとうございます！！ (2022年2月5日 23時) (
レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - 面白すぎて最近読み始めたのにもうここまできちゃいました！！！めちゃくちゃドキドキしてます！！素敵なものが読めて幸せです！ (2022年2月2日 23時) (レス) id: 3475edfef8 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 彩華さん» ツボ！！！！！うれしい！！！！！！更新遅くて本当に申し訳ございません。励みになります。頑張って更新します〜！！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - Amamiyaさん» ありがとうございます！亀更新にもほどがありますが、完結させず放置することは絶対ございませんので、たまに覗きにきてやってください…！応援、励みになります！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - やばい。ツボすぎます！一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2021年4月1日 22時) (レス) id: da4daeacca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月19日 17時
