第百一話 ページ2
「放課後のファミレス、だめになっちゃったね」
困ったように私が笑う。それにつられて真っ赤に目を腫らした千佳も、「そうだね」と笑った。
反省文と罰則待ちの私たちは、四人でぞろぞろと蟻の行列のように群れを成す生徒たちがバスに乗るのを眺める。
その中でふと会長の姿を見つめる。全校生徒がちゃんとバスに乗ったかを確認するために一番最後に残っているのだろう。そのそばには副会長の姿もあった。
ぼんやりと彼の姿を見つめている私に気づいたようで、ふとこちらに視線を寄越しその目を大きく見開いた。
「……」
お互い何も言わない。というか、声をかけるには気まずいくらいの距離がある。
だから私はふわりと微笑みを浮かべた。そして彼が何かを言う前に、何かを思う前に視線を逸らし千佳たちのほうへと戻した。
「そしたら、姉御の退院祝いにファミレス行こうぜ！」
「あ、それ賛成！ 毎日お見舞い行くからね、奏音！」
「俺も、それに賛成。ついてくよ」
「……へ」
聞きなれない単語に私は思わずきょとりとする。
「入院……って」
「いや、その傷はさすがにしばらく入院だろ」
「高いところから転落したわけだし、頭に衝撃がなかったかチェックしなきゃいけないよ」
「っていうか奏音人の支えないと立つことすら困難な状態じゃん」
確かに今私は千佳に寄りかかりながら立っている。そうじゃないと痛みが尋常じゃないのだ。
特に足は目も当てられない状態なので、耐性のない人のために先生が早い段階で布を巻き隠していた。ちなみに止血も先生がしてくれた。教員が全員ファーストエイドの訓練を受けてるって本当だったんだなぁ。
ちらり、と先生のほうを見ると横目でこちらを見返してくる。手には携帯。そして告げられた衝撃の一言。
「……今救急車を呼んでる最中だから」
「……え゛っ」
喉がひきつれてしまったような悲鳴。
体ごと先生のほうを向いて、正面から向き合う。だが先生はそんな私のほうを相変わらず目を細めて見てくるだけだ。笑うでも怒るでもなく、ただ飄々とした表情で。
「車で送ろうと思ったんだが、早いところ痛み止めとちゃんとした止血をしてもらわないとやばいかもしれないからな」
「……そんなに傷が深いんですか？」
「お前はこれ以上深い怪我を負ったことがあるのか？」
「いえ、これがダントツで一位です」
「そういうことだ」
なかなか納得がいかないが、確かにまぁまぁ血の流しすぎでくらくらする。
大人しく言うことを聞くしかないようだ
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます！これからもバンバン頑張ります！一気に読んでくださってうれしい…これからも何卒よろしくお願いいたします！！ (2019年5月11日 19時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - このお話大好きです！一気に読んだんですけどすっごい楽しいです！これからも頑張ってください！ (2019年4月4日 2時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - あだ名がンゴって…さん» うわー！ありがとうございます！そういっていただけただけですごくうれしいです。コメント励みになります。これからも頑張らせていただきます！ (2019年4月1日 21時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
あだ名がンゴって… - 初コメ失礼します。あなたの文才、ください（切実）めっっっっちゃ好きですもうなんなんですか大好きです。更新頑張ってください！！！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: d0cbd630d9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - セツナさん» うっありがとうございます（泣）尊敬に値するようにもっと文才磨きます！ゆっくり亀さんに呪われていますが頑張って更新させていただきます！ (2019年1月9日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月25日 13時
