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第六十三話 ページ14

「え……ちょ、千佳……何、どうしたの……?」

困惑する私に、千佳は眉根を寄せる。
そしてそんな私の腕を掴み、強引に席から立たせた。

「屋上、行こう」

それだけ言うと、千佳は私の腕を引っ張り教室から出ようとする。
反射的にその手を慌てて振りほどこうとするが、彼女の細い体のどこから出ているのか、強い力に私の腕はがっちり捕まれたまま解放されることはない。
そのまま引きずられるようにして、私は教室の外を出た。

「ち、ちょっと千佳!もう授業始まるよ!?」
「サボる」
「――……って、私前の授業もサボったのに!ダメだって千佳、離して?」
「嫌だ」

いつもの、語尾に記号がつきそうなほど能天気な彼女とはかけ離れた声に、さらに私は困惑の渦に突き落とされる。
そういえば彼女はこんな風な態度を取ったのは初めてじゃない。
だけどあまりに咄嗟すぎて、その時は何があったのか、思いだすことすらままならない。

私が考えている間にも、千佳の足はズンズンと屋上への道を辿っていく。
ついに階段までたどり着き、千佳は迷いなくその階段をのぼった。
今思えば、屋上は一般生徒立ち入り禁止だ。確か、鍵だってかかっていたはず。
一体千佳は、何をするつもりなのだろうか。

やがて見えてきた屋上の扉。
やっぱり扉には「一般生徒立ち入り禁止」の貼り紙があって、その上南京錠まで掛けられていた。

「……ね、ねぇ千佳……?」
「……」

それを見た千佳は、ようやく私の腕を解放してくれた。
やっと諦めてくれたのかと胸を撫で下ろそうとすると、千佳がポケットを探っている様子が目に入る。
一体何を取り出すかと思えば……

「か、鍵……?」

まさか、と思えばその通り、千佳は流れるような動きでその鍵を南京錠に差し込んだ。
ゆっくりと右に回せば、ガチリと重々しそうな音とともに南京錠が開く。
驚きに口が開いて塞がらないとはこのことか。

「ち、千佳!?屋上の鍵なんてどこで……!」
「一般生徒の中で何人かこっそり持ってる。 合鍵を作らせてもらった」

まるで業務報告のように淡々と告げる千佳は、扉を開き屋上へと足を進めた。
流石に遠慮なく入るのに躊躇われたが、千佳がちらりとこちらを見てきたので入らざるを得なくなる。
恐る恐ると一歩を踏み出してみると、屋上の風が私の髪を弄んだ。

「……で、千佳……一体……?」
「何があったの」
「……え」
「何が、あったの?」

再度問われ、私はようやくここに連れてきた千佳の意図を知った。

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設定タグ:ツンデレ , ドS , オリジナル   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ayakaさん» Rの要素ございました? (2020年6月25日 14時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
ayaka - [R]つけてください (2020年6月24日 20時) (レス) id: 6bf9ec98ce (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ゆうきさん» あぁああうれしいです!全力できゅんっと来るような描写をさせていただきます…無駄に多く長い小説をすべて読んでいただき感激のあまり…いや本当に感激です!(語彙力が足りない)ありがとうございます、頑張らせていただきます!! (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - いか糖さん» 本当に長くなりそうなので飽きないって言ってくださってうれしいです……!ワンパターン・テンプレばかりの小説だというのにそんなことを言って下さるなんて…!頑張ります!! (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメント失礼します!先生かっこよすぎませんか!?一話から続けて読んでいますが、先生の一つ一つの動作にキュンキュンさせられてます!こんな先生本当にいたらいいのにな…更新がんばってください!楽しみにしています! (2017年6月11日 15時) (レス) id: 6c9139a3b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年11月14日 20時

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