第二十一話 ページ22
「笹塚先生、おはようございます」
「先生！おはようございまーす！」
私達が二人して挨拶すれば、ようやく気付いたように先生は此方を見た。
外国人の血が流れているせいだろうか、嫌味なほどスーツが似合う。
パリッとしたその外見に少しだけ圧されたことは心のうちに隠しておく。
朝でも隙を見せないほどの余裕さだ。
もうちょっと朝は低血圧だとかそういう分かり易い弱点があったほうがいいと思う。
野菜嫌いだとかいう弱点は流石にギャップ萌えのネタになりそうだけど。
「あぁ、邦月に知崎、おはよう」
「今日も格好いいですね！」
「……ありがとう」
そう苦笑する笹塚先生。
千佳もよくやるな、と思いながらも私は先生を憐れむ。
昨日あんなに女子たちに囲まれることにうんざりしていたのだ。
こんなに面と向かって顔のことを言われては、何よりも混乱が勝るだろう。
「……そうだ邦月、本は読んだか？」
「あー……えっと、ちょっと忙しくてまだ著者紹介しか」
「……お前紹介をいちいち読んでるのか？」
まるで変人でも見たような目をされて、私は苦笑をするほかない。
別に普段は目を通すことはないのだが、著者が自分と思ったより年が近いのだ。
18歳の小説家だなんて、ちょっとだけ興味が湧いてしまうじゃないか。
「それに忙しいって……一端の高校生が」
「奏音はぁ、家の家事を任せれてるんですよ！」
置いてけぼりになどなるものかという勢いで千佳が話に参加してくる。
そんな千佳の言葉に、先生がそうなのか？と視線を寄越す。
別に隠しているわけでもないので、私は何でもないようにこくりと頷く。
「奏音も私と同じで両親共働きで、帰りが遅いんです！だから、奏音の手料理美味しいんですよ！」
千佳に言わせるがままにしようかと思っていたら、ふと疑問に思ったことがある。
千佳は確かに先生が好きだと公言していた。
もっともその好きは少女たちが歌手や俳優に抱く好きに近いのだけれど、それでも、だ。
なんとなく私をアピールしているように聞こえてならない。
「……へぇ。 俺も食べてみたいな、お前の手料理」
「お腹壊しますよ」
「じゃあ奏音、今度クッキーでも差し入れしたら？」
私は視線だけを千佳に寄越す。
少しだけ棘のある視線で彼女を見やれば、ウインクを返してきた。
うん、全く理解できない。
「っと、悪い俺急いでいるんだ。 それじゃあまたな」
「はーい！」
元気いっぱいに千佳が手を振る。
私は頭を下げるだけにしておいた。
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アミ(プロフ) - めっちゃ面白いです！文才ありますねー！尊敬しますよ〜。 (2020年7月8日 20時) (
レス) id: 86dee03899 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 猫沢さん» ひゃー一作目のコメントなので確認できてませんでした！すみません感覚で掴む派なので文法苦手なんですよー！訂正有難うございます！変えておきますね！返事遅れて本当にすみませんでした！！ (2020年4月13日 14時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
猫沢(プロフ) - 続編前の作品にコメントするかどうか迷ったのですが、第七話のhaveのくだり、あれ過去形じゃなくて過去分詞形では…。すみません、気になったらコメントしちゃうタイプなんですううう… (2019年6月5日 1時) (レス) id: 3e8fc16044 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?るろうに剣心の張×女体化そうじろうの恋愛長編を作って貰いますかな?始まりの出会いは幼少期で志々雄を出会う前で (2018年10月31日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - matsumatsu1234さん» コメントが遅れて申し訳ありません！ウザかったですかね？でも根はいい子なので嫌わないであげてくださいｗｗ (2014年12月8日 19時) (レス) id: 37256eb247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年6月9日 0時
