第十二話 ページ13
「すみません先生、なんて？」
「だから、お前は俺が探し出して捕まえてやる」
「……お断りしても？」
「駄目だ」
この人さては私の反応を楽しんでいるな。
睨むように先生を見据えながら、私は高らかに宣伝する。
「絶対に逃げ切って見せますので」
「いいな、そう活きがいい方が捕まえ甲斐がある」
「さては先生ドSですね？」
「よく言われる」
ようやく名前の記入を終え、注意事項に目を通す。
だけど隣で先生がいまだ凝視してくるから集中できるものも集中できない。
数文字読んでから集中をとぎらせてしまい、またその数文字を読み返す……その繰り返しで、私はついにため息をつき顔をあげた。
「……まだ何か？」
「放課後指導室に来いって言ったろ？」
「はい、まぁ」
「どうせなら一緒に行くぞ」
私に拒否権はないのか、そうか。
まぁ別に困ることはないけど、それでもせめて私の意見も取り入れてほしいものだ。
ドSとはこういう人のことなのか、初めて知った。
そしてこんな忠実にドSな人も初めて見た。これが狙っていないならマジですごいな。
ようやく注意事項に目を通し終え、私は用紙の一番下にサインをする。
その紙をぺらりと持ち上げ先生に突き出す。
用紙は埋め終わった後、先生に提出するのだそうだ。
「あぁ、ご苦労さん」
それを難なく受け取りながら、先生は自分の鞄に向かう。
私も鞄を取りにいかないと、と自分の席に向かう途中で千佳に呼び止められた。
「奏音ー！一緒にかーえろ」
「ごめん、私笹塚先生との約束が」
「裏切り者ぉおお！」
待っててくれない？と言う前に千佳がすごいスピードで扉の向こうへと消えていった。
流石千佳というか、罪悪感も糞も湧かない。
というか私が何をしたってんだ。
「……大丈夫か？知崎、すごい速さで走ってったけど」
「あの子あの足の速さで体育の成績1なんですよ。 火事場の馬鹿力の類かな？」
私の傍に寄ってきて尋ねてきた先生の質問に、私は冷めた目で返す。
そのまま鞄を抱え、先生と並んで教室を後にする。
だけどどうにもあれだ。
流石先生としか言いようのないくらい、この人人気すぎる。
ふと隣に気配を感じなくなったなと思ったらいつの間にか後方で女子に囲まれ足止めされていた。
「……悪い」
「先に行ってますね」
後ろで先生の叫びが聞こえたけどそこはあえてスルーだ。
面倒くさいことは嫌いです。極力関わりたくありません。
「先生の犠牲、無駄にはしませんから」
なんてどこかの映画の台詞。
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アミ(プロフ) - めっちゃ面白いです！文才ありますねー！尊敬しますよ〜。 (2020年7月8日 20時) (
レス) id: 86dee03899 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 猫沢さん» ひゃー一作目のコメントなので確認できてませんでした！すみません感覚で掴む派なので文法苦手なんですよー！訂正有難うございます！変えておきますね！返事遅れて本当にすみませんでした！！ (2020年4月13日 14時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
猫沢(プロフ) - 続編前の作品にコメントするかどうか迷ったのですが、第七話のhaveのくだり、あれ過去形じゃなくて過去分詞形では…。すみません、気になったらコメントしちゃうタイプなんですううう… (2019年6月5日 1時) (レス) id: 3e8fc16044 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?るろうに剣心の張×女体化そうじろうの恋愛長編を作って貰いますかな?始まりの出会いは幼少期で志々雄を出会う前で (2018年10月31日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - matsumatsu1234さん» コメントが遅れて申し訳ありません！ウザかったですかね？でも根はいい子なので嫌わないであげてくださいｗｗ (2014年12月8日 19時) (レス) id: 37256eb247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年6月9日 0時
