玉狛のお姫様はボーダー最強 10 (ページ9)

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〜A〜

10分もすると慶さんが本当にカステラを買ってきてくれた

早いけど……トリトン体で行ったよね

あーあ。真史さんに怒られてる

｢遊真くーん！これが和泉屋のカステラだよ。一緒に食べよ｣

遊真｢これが噂の。いただきます。おお！美味いな。修と千佳にも食べさせてやりたいな｣

｢それもそうだね。修くーん。千佳ちゃーん。こっちおいでよー！｣

忍田｢こら。いちいち大声を出すな｣

｢だって離れるなって言うから、呼ぶしかないじゃん｣

大声出すたびに注目されるのは私だって嫌だ

でも遊真くんはカステラ食べてみたいって言ってて、なのに用意しておいてくれないし

つまりは、私は悪くないってことだよね

忍田｢私も挨拶回りに｢行ってらっしゃい｣

着いて来いと言われる前に手を振って見送った

忍田｢……悪いがAから離れないでもらえるか｣

修｢あ、はい｣

真史さんがいなくなると、若いスポンサーさんが数人集まってきた

この人達もカステラ欲しいのかな

スポンサー｢岸原さん。もしよければ我々とお話ししませんか｣

私だけ？

修くん達は……？

腕を掴まれると、抗う術がなくなった

お金を出してくれてる人の手を払うわけにはいかない

真司｢では、私もぜひ混ぜてくれませんか｣

スポンサー｢ええ。もち……桧谷…！？｣

｢あ……｣

呼ぶ前に鬼の形相で睨まれた

真司｢(俺とお前は初対面だからな)｣

知り合いでもいいと思うんだけどな

私はどっちでいいからそれに従う

｢初めまして。桧谷さん｣

作り笑いで握手を求めると｢初めまして｣と返してくれた