玉狛のお姫様はボーダー最強 10 (ページ26)

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〜A〜

唐沢｢次の部屋に行きましょうか｣

龍希｢ええ｣

そういや私、普通にしてるけど唐沢さんのプロポーズまだ断ってなかった

今度時間作ってもらわなきゃ

｢そうそう。最後に聞きたいんだけど、エンゲージリングって何？｣

龍希｢婚約指輪。それがどうかしたか｣

｢ペアリングじゃないの？｣

龍希｢違ぇよ｣

｢婚約指輪ね。こんや…………え！？｣

私の驚きと視線から、私にそれをくれた人を簡単に特定させた

龍希｢なんだ。プロポーズでもされたか｣

｢されてないよ！ただ…私の時間が欲しい的な事は言われた｣

龍希｢それはプロポーズじゃねぇの？｣

｢本当だ……！Σ(￣□￣;)｣

忍田｢ちょっと待てA！お前達もその顔やめろ！先に弁解させてくれ……｣

｢どうぞ｣

忍田｢あの時は必死だったんだ。その……Aを救うのに｣

｢救うって大袈裟な……。放っておけばよかったのに｣

忍田｢そんなの出来るわけないだろ！お前を1人で泣かせた。泣くと知っていたのに俺はお前を1人にした｣

何年経っても傷は癒えなかった

笑えないから泣くしかできなかった

泣いているとこを見られたくないから部屋に閉じこもった

あれは真史さんなりの元気付けだったのか

｢でも大丈夫！あれはお互いにプロポーズと認識してないから｣

忍田｢当たり前だ！あの時は父親として心配してただけだ！｣

龍希｢あの時はって事は今は違うのか｣

忍田｢そういうわけじゃ……｣

龍希｢聞いてた通り、嘘が下手だな。まぁ、俺は誰がAを好きになろうが構わないが、立場は弁えろよ。テメーら全員｣

全員？

真史さんだけじゃなくて？