玉狛のお姫様はボーダー最強 6 (ページ36)

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ー夜ー

～A～

家に帰ってから本部長様の態度が変

独り言言って考え込んでるし

｢本部長様ー。話ししましょう」

肩を揺すってみるも反応なし

うーん。まぁいいや

話さなくても

(勝手に)お蕎麦を注文をして、2階の本部長様の部屋に足を踏み入れた

前々から思ってたけど物少ないよね

おかげで探しやすい

忍田｢A。何をしているんだ」

｢動いてる」

忍田｢は…？」

おっと。いけないいけない

いつもの調子で悪態ついちゃった

｢こっちの話しです。何をしてるかでしたっけ？アルバム探してるんです」

忍田｢アルバム？それならそこの一番上の段だが」

｢………取れない」

背伸びをしてめいっぱい手を伸ばしても触れることさえ出来ない

後ろから伸びてきた本部長様の手はすんなりと一冊のアルバムを掴んだ

背が高いっていいな

私も牛乳飲んだら大きくなれるかな？

ダメだ。なれない

風間さんがそれを身をもって証明してくれてる

忍田｢何でこんなもの見たいんだ」

｢あの人のことを知ろうと思って」

すると、アルバムが落ちてきた

危なっ！！顔のすぐ横を通ったんだけど

角が直撃したらどうすんの！？

かなり痛いからね！？

忍田｢ど、どうしたんだ急に」

｢いいじゃん別に」

忍田｢だが……」

｢大丈夫。もうあの頃と違うから。もう泣かないよ」

あの頃は名前を聞くだけで泣いていた

だからこの人は桧谷蓮矢という存在(ひと)を私の中から隠(消)そうとした

それがこの人なりの私への精一杯の優しさだったんだ

忍田｢分かった。話すよ」