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ー数日後ー
〜A〜
知っていた
私といない
透明人間とかそんな優しいものじゃなくて
存在さえしていない存在
それが岸原Aという存在
内側に鍵のないこの部屋は中から開けることは出来ない
つまらなくて 苦しくて 寂しくて
それでも忍田さんは戻ってきてはくれない
知っていた
ボーダーにおいて忍田さんの一番が私でないことも
忍田さんの人生において私が一番でないことも
愛してると言った忍田さんはあの人と同じで、でも違くて……
それならなぜ私は
どうにかドアを開けようと頑張ってもビクともしない
忍田さんの居場所は本部内だけなら追えた
だからここに向かっていたら大人しくしていた
何も知らないフリして、私を心配してくれる忍田さんといたかったから
忍田｢ごめんなA。1人にして」
忍田さんは勉強を教えてくれた
参考書をいっぱい呼んで私のために、勉強して
忍田さんは服を買ってくれた
可愛いなんて褒めてくれるけど、似合ってないとちゃんと自分で分かってた
声が出ないと、どうにかコミュニケーションをとろうと言葉を教えてくれた
人より少しだけ覚えるのが早かった私はすぐに習得して、会話が出来た
真っ白だったノートはたくさんの言葉で埋まっていった
忍田｢腕も綺麗に治ってくれてよかった」
赤くなっていたところを指でスーっとなぞった
忍田｢今日は甘い物を持ってきたんだ。食べるか？」
｢((ｺｸﾘ」
いつもみたいに口を開けて待ってると、少し困ったように笑った
どうしてそんな顔をするの？
忍田｢(そろそろ自分で食べてくれないかな)」
そうか。甘えたらダメなのか
早く消えてもらうには、私が自立しないといけない
忍田さんから
全部食べ切るとギューってしてくれた
忍田｢自分で食べれるようになったんだな」
私が我慢すれば私を愛してると言ってくれたこの人は笑顔になってくれた
これから私は"忍田さんのために我慢すればいい”
自分の
なんて事ない
我慢するのは得意だ
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
