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〜忍田〜
翌日からボーダーの仕事と平行して、最近の
やましい気持ちじゃなくAのためにだ！！
事情を知らない人間に見られでもしたら ロリコンの変態とレッテルが貼られるだろうから慎重に事を運んだ
女の子だし服はたくさんあったほうがいいよな
勉強も私が教えるとして……女性の身体の仕組みはどうするか
さすがに私には教えずらい
麻理｢あの…忍田本部長」
忍田｢どうした。桧谷くん」
麻理｢すごく身勝手だと分かっています……」
静かに涙を零す桧谷くんの手には一枚の封筒が握りしめられていた
オペレーターである彼女もまた、辛い現実を
忍田｢こちらこそ力が足りないせいでこんな目に合わせてしまい、本当にすまなかった」
縛ってはいけない
解放出来る人間は解放していかなければ
麻理｢短い間でしたが、お世話になりました」
忍田｢こちらこそ世話に………桧谷くん。君にお願いしたいことがある」
身勝手なのは私も同じだ
1秒でも早く立ち去りたいこの場に引き止めてしまうのだから
それでも引き受けてくれたのは妹を愛しているからだろう
ボーダーを辞めた桧谷くんに待つのは桧谷グループをまとめる大仕事
その合間を縫ってAに必要な知識を教える家庭教師になってくれた
桧谷くんと会ったあともAの表情は変わらない
鳥のヒナに餌をやるようにご飯を食べさせるのも不謹慎だが、楽しいなどと思ってしまう
それでも半分も食べることはできずに
食事のあとは勉強の時間
反応をしないから理解しているのか そうでないのか 分からないが、Aのために何かをしたい気持ちが前面に押し出される
1日に同じ事を何度も繰り返して教えればAなら理解出来るはず
参考書をめくろうとすると、小さな手が私の手に触れた
忍田｢どうした。解らないとこがあったか？」
し の だ さ ん
手の平に私の名を書いたあと ゆっくりと振り向いた
ここに来て初めて自分の意志を見せた
それが嬉しくて泣かずにはいられなかった
小さくてか弱い女の子は慰めるみたいに、私を抱きしめた
愛情なんて今のAには難しいかもしれないが、それでも伝えておかなければならなかった
忍田｢愛してる。Aのことを」
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
