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ー
〜A〜
｢あ…あの忍田さん。どこに？」
6年ぶりの外は眩しかった
空が遠かった
私のいた世界は……何も変わっていなかった
｢わぁ………綺麗」
忍田さんは大きな手で私をどこに引いたかと思えば……
たくさんの桜の木が並んだ1本道
桜並木っていうのかな？
忍田｢隊員達がここの桜は綺麗だと言っていてな。ずっと連れて来たかったんだ」
視界いっぱいに広がる鮮やかなピンク色の景色
そうか
私は
今日からこの景色は当たり前になっていく
｢忍田さん。綺麗だね」
忍田｢今日だけじゃないからな」
｢え？何が？」
忍田｢明日でも明後日でも……来年 再来年 何十年後でもAが見たいというなら連れて来る｣
｢………。何十年は無理じゃないですか？忍田さんが生きている…て、痛い痛い！頭掴まないで！！」
本気で鷲掴みにされた
軽いジョークなのに
通じないな
｢忍田さん。しゃがんで」
忍田｢なん……｢いいから」
腕をグッ！と引くとあんなにも高かった忍田さんの頭が私の目線まで下がった
｢ほら取れたよ」
忍田｢っ…///((ﾄﾞｷｯ」
｢どうしたんですか？」
忍田｢なんでもない」
忍田｢(何だ？今のは)」
風で舞い落ちた桜の花びら
これ、栞にでもしようかな
忍田｢玉狛が嫌になったらいつでも言うんだぞ」
｢相変わらず過保護ですね。そうならないようにボスが頑張ってくれますよ」
忍田｢アイツは無責任なとこがある。Aのことを……」
｢忍田本部長。そんな
忍田｢あぁ…？」
忍田さんはあの人との小さな約束を覚えてくれているだろうか
私のために
私のために……死んでしまわないだろうか
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
