玉狛のお姫様はボーダー最強 8 【過去編】 (ページ33)

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～A～

碧『頭痛いの？お薬飲む？』

『のむ～』

碧『あ……ちょっと待ってね』

碧《もしもし…え、今ですか？でもAが……はい。分かりました。すぐに…》

碧『ごめんねA。お祖母様に呼ばれたから、お母さんちょっと出掛けるから良い子で寝ててね』

お母さんは薬を置いて行ってしまった

その日お母さんは帰ってこなかった

忍田さんも……私を置いて……

｢やだー。ここ…にいるのー！」

大声を出すと頭がガンガンするのに置いて行かれたくない

忍田さんといられるなら痛いの我慢するもん

忍田｢うん。行かないよ。どこにも」

痛いのか嬉しいのか訳が分かんなくなってきて余計に涙がとまらない

忍田さんの腕の中はあの人と同じで安心する

あれ……どうしてそんな事思うんだろ

"そんなこと覚えてないのに”

～忍田～

まるで癇癪を起こした子供だった

なだめるように頭を撫でれば少しずつ落ち着きを取り戻した

忍田｢薬飲まなくて平気か？」

｢治った！」

鼻声で、でも元気良く言った

起き上がろうとするAを動けないよう力いっぱい抱きしめると、本気でウザがるようにジタバタを始めた

忍田｢良い子で寝たらプリンあげるからさ」

｢カラメルいっぱい？」

忍田｢そう。いっぱいかかったやつ」

｢寝る」

宣言して数秒後、本当に寝た

よし。今のうちに買っておかないと

その前に10分だけ仮眠をとろう

今日は徹夜決定だからな

･

しまった！仮眠つもりが寝入ってしまった

しかもうつ伏せ冗談だったためにAを潰していた

｢重い」

忍田｢す、すまん」

問題はそこじゃない

Aが寝ている間に買いに行く予定だったのに

｢プリン食べよ」

忍田｢その前に着替えようか。汗びっしょりだな」

Aを抱いていた俺にも被害はあるが

忍田｢これは……」

仕事机にお歳暮のような大きめの箱が置いてあった

忍田｢ゼリー？」

誰からだ？

メモも見当たらないし……

Aを気遣った沢村くんか？

｢忍田さん！プリン！」

忍田｢今日はゼリー(こっち)にしよう。な？」

｢これ綺麗だね。ミカン入ってるよ。こっちはモモ！ブドウもある！」

興味が逸れて助かった

完全に治りきっていないのにプリンは早い

夜も胃に優しいものを食べさせないとな

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とある寒い日終わり