372 ページ32
〜忍田〜
俺は何を期待していたんだ？
上層部に味方がいるなんて、あるわけないのに
出るんじゃなかった
Aの存在価値を傷つけただけじゃないか
忍田｢Aー？お腹空かないかー？」
｢おむらーす」
忍田｢お粥しかないんだが」
風邪引いてる時にそんなもの食べたら余計具合悪くなるだろ
あと絶対フワフワにこだわるんだよな
｢おしごとー」
忍田｢そうだな。先に仕事をしようか」
｢んー」
マフラーと手袋を外して大人しくソファーに座った
これは書類を寄越せというサイン
忍田｢寝ようか」
｢んー？」
忍田｢俺と寝るのがAの仕事だよ」
寝たくないというAを無視して、雪だるまになったAを抱いてベッドに横になった
こんなにも思考が落ちるまで風邪を我慢させていたなんて…
忍田｢ごめんなA」
失格だな
親として
大人として
沢村｢あの本部長。移りますよ？」
忍田｢かまわないさ別に」
Aはこんなにも苦しんで……
忍田｢A？」
頭を抑えて体を丸める姿は風邪というよりかは、頭痛で苦しんでるようにも見える
〜A〜
痛い痛い痛い 頭が痛い
体調が悪くなると、物の気持ちとより共感してしまう
だから気を付けていたのに……
物が壊れれば、悲鳴や叫びが痛みとなって襲ってくる
でもそれが
外にはネイバーが……
そっか。そういうことか
あのネイバーは誰かに作られたもので
だとすれば、それを作ってる人もいて……
退治されてるネイバーはさしずめ兵隊
忍田さんに言わ……なくていいや
聞かれてないし…喋る気力ないし
痛いと思うからダメなんだ
痛くない。痛くない
何度思っても内側からハンマーで殴られるような
忍田｢A。薬飲もう」
｢んーん。やなのー！」
忍田｢頭痛いんだろ」
｢んー！痛いのー！」
忍田｢泣くほどなのか！？だから薬を……持ってくるから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
