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〜A〜
シャワー……お母さんはここを回してた
捻ると湯気に包まれながら水が出た
勢いが強い
止めなきゃいけないけど動きたくない
多分熱い
けど、どうでもいい
じんわり赤くなってくると、青ざめたあの人が
忍田｢何してる！？」
変な人
見れば分かるのに
忍田｢っ、あ…出るぞ」
ふんわりとしたバスタオルに体をくるまれた
いい匂い
お母さんと同じ匂いがする
忍田｢しまった。服がない。同じ物を着させるわけにもいかないし……」
なんか1人でブツブツ言ってる
あの人のズボンの裾を掴もうとするも、私の手は誰にも掴んでもらえないことを知っている
伸ばした手は気付かれもしないから、そっと背中に隠した
忍田｢悪いがこれで我慢してくれるか？明日には服を用意する」
自分の上着を着せてくれようとするも、私は
一歩下がると 困ったように一歩近づいてきた
〜忍田〜
忍田｢いや、A…。
警戒するように一歩、また一歩と後ずさるから、私も一歩ずつ近づくが……はたから見たらヤバくないか！？
ただの変質者………
Aからしたら24歳なんてオッサンかもしれないが、世間ではお兄さんで通用するはず
というかまだお兄さんだ！！
Aの逃げ場がなくなるとやっと捕まえることが出来た
腕は赤くなっているが火傷まではいってない
病院に連れて行ってやりたいが……
腕にシップを貼って冷やすと一瞬痛がったようにも見えた
バスタオルから上着に着せ替え、人がいないことを確認してまたあの部屋に戻した
定位置のようにAはドアの真正面の壁に凭れ座った
この部屋には布団もない
じゃあAはどうやって寝てるんだ
まさか座ったまま？
こんな堅い床だと体を痛める
今日のところはAを膝の上に乗せて寝かしつけた
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
