玉狛のお姫様はボーダー最強 8 【過去編】 (ページ15)

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～Saidなし～

林藤｢岸原Aは玉狛で面倒みますよ」

男は静かに声を上げた

まるで、穏やかな水面に石が投げられたように少しの波紋が広がる

林藤｢城戸さんはAが隊員になればいいいんですよね？

でも城戸さん派じゃ忍田さんは納得しないし入れる気もない

だったら玉狛支部が最適じゃないですか」

城戸｢私は構わんよ。彼女がボーダー隊員にさえなるのであれば」

どこでもいいのだ

彼女が力を手に入れ、自らの身を守れる場所ならどこでも

会議が終わり全員が退室するなか、唐沢だけは残った

唐沢｢笑顔(あれ)は我々の言葉の意味を理解した……と、捉えるべきですかね」

本部長だけではない

彼女を隊員にしたくないのは

唐沢はあくまで利益を優先した

だからこそ賛成したものの、あんな笑顔(かお)を見たら、その選択が間違いであったと気付いた

城戸にはもう立ち止まることは許されない

守ると称して傷つけた

この先一生、岸原Aの憎むべき存在としてあり続けなければならない

それこそが彼が選んだ贖罪の道

～忍田～

忍田｢まずはトリガーを選ぼう」

林藤に上手いこと乗せられた気もするが私の元(側)にいてくれるなら、それでいいと思った

Aは粗方トリガーを理解していて説明する手間がない

｢し…の、だ……さん」

それはあまりに突然だった

か細く小さな言葉(こえ)はハッキリの確かに届いた

この子には泣かされてばかりいる

｢だ…いじょ、ぶだよ」

やめろ……

背負うな

2人の命も、お前を傷つけた責任も俺が背負うから

罰は………全て受ける

だからこの子だけは………

忍田｢俺のとこに来い。玉狛じゃダメだ。俺の側にいろ」

守れるものか

林藤なんかにこの子を……守れるものか！！

俺が守るんだ

蓮矢の代わりに俺が

蓮矢『あんな風に泣くのをもう見たくない』

蓮矢『大事なもん守りに行かなきゃいけないんだ』

蓮矢『ごめんな真史』

謝るな！！

お前はお前の仕事をしたんだ！

だから今度は……俺達がお前を助ける

どれだけ時間がかかろうと必ずネイバーの世界から連れ戻す