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〜A〜
忍田さんは大人なのに寂しいと言った
やっぱり1人は寂しいんだ
三河さんは寂しくないのかな
人はみんな、いつだって誰かといたいものなのに
ベッドはフカフカしてた
隅っこで丸まってると後ろからギュッとされた
忍田｢寝ずらいだろ。もっと真ん中でいいんだ」
それは……どういう意味だろ
落ちちゃうから危ないってことかな？
忍田｢おやすみA」
振り向くと忍田さんは目を閉じてた
寝た？
顔をペシペシしてみた
忍田｢Aさーん？痛いんだが」
起きてた
怒ったかな？
忍田さんが怒る前に、とぼけたフリして笑えば許させると誰かが言っていた
うまく笑えただろうか
忍田さんは固まったまま動かない
笑えて………なかったのか
自分の
人として私は、終わったんだ
忍田｢A今……笑っ……たのか？」
｢((ｺｸﾘ」
忍田｢も…もう1回！笑ってくれるか！？」
｢((ﾌﾙﾌﾙ」
忍田さんが起き上がるから、布団がめくれて寒い
どれだけ嫌だと首を振っても忍田さんは、もう1回と繰り返す
〜忍田〜
Aがほんの一瞬だが笑った
久しぶりに見たが、やはり可愛いな
もう1回と頼んでみるも、Aは嫌そうに背を向けた
忍田｢Aー。いいだろ？」
子供のAは軽く……軽すぎて簡単に抱き上げることができる
忍田｢そんな真顔じゃなくて、ほら。さっきみたいに笑ってくれないか」
―ｶﾞｼｬﾝ
ガシャン？
この部屋に物は置いてないからそんな音するはずないんだが
振り向くとトリガーが落ちていた
あぁなんだ。壁に当た………
忍田｢A？トリガー投げたらダメだろ？」
いつの間に抜き取ったんだ
あれぐらいの衝撃じゃ壊れないからいいが
忍田｢わかったか？」
｢((ﾌﾙﾌﾙ」
忍田｢ここはうなづくとこだぞ」
｢((ﾌﾙﾌﾙ」
忍田｢A…」
しつこくしすぎたせいか
Aなりの小さな反抗
忍田｢ごめんごめん。私が悪かったよ」
謝ると、投げつけたトリガーをわざわざ持ってきてくれた
言葉の意味も、相手の気持ちも理解できるこの子を大事にしないと
忍田｢A」
｢愛してる｣という言葉だけでは足りない
忍田｢守るから。ずっと」
私の全てこの子に使うんだ
どんな時だって常に一番にこの子を最優先に考える
それが私のできる唯一の償い
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
