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〜A〜
光月｢じゃ俺は帰るからな｣
｢聞かないの？私が誰を殺したか。何で殺したか｣
光月｢お前が、お前の意志で殺したわけじゃないんだろ？それに……“あれは事故”だった｣
｢如月さんはどうしてその日の事を知ってるの｣
光月｢さぁ。どうしてだろうな｣
知っている、事に否定はしない
｢理由は聞かないの？それにもし本当に私が殺してたら……｣
光月｢そのときはお前に人殺しのレッテルが貼られるだけだ｣
｢それだけ？他に何か……｣
光月｢それは、責任を取りたいという表れか？だとしたら見当違いも甚だしい。あの日の事に関してお前が責められるものはないはずだ｣
｢どんな理由であれ私のせいで死んだのなら私が殺した！ずっとそうやって生きてきた！！なのに……どうして今更……｣
光月｢本当に誰もお前の生き方が間違ってるって教えてくれなかったか？｣
泣きそうな切ない表情
光月｢知ってたよ。お前があの家で非道な扱いを受けていること。知ってて無視した。俺には何の関係もなかったからだ。虐待されようが殺されようが。あの2ヶ月間がお前の心も体も殺していることを知っていたのに。それなのに……お前は現れた。三河の守りたい奴として｣
｢私とは……･会いたくなかったって聞こえるね｣
光月｢俺がお前を守るのは罪滅ぼしだ。お前の言葉を信じて聞くのは“罪滅ぼし”だからだ。ずっとお前を殺し続けてきた懺悔｣
｢三河さんがどうして私の過去を知ってるのか不思議だった｣
※260
そうか。そういう事だったんだ
泣いてしまうのは惨めに思ったからじゃなくて、ただ泣きたいだけ
光月｢悪かったな｣
｢ううん大丈夫。独りでいるのは最初から慣れてるから｣
私の人生は誰かに謝ってもらえるほど大層なものじゃない
むしろ謝罪すべきは私
光月｢戻れよもう。それと悪かったな。カステラ｣
｢嫌がらせ用なんですよね？それなら全然。私もよくやるし｣
光月｢いや。そうじゃないんだ。本当の目的は別にあった。お前の記憶が……あるかどうか確認したかった｣
｢判定は？｣
光月｢最悪だ。最悪の形でお前に根付いてる｣
“如月さんらしくない”ハンカチで涙を拭ってくれて、控えめに笑った
光月｢守るよ。それだけは絶対。約束する｣
･
イザナ｢賢い君は選択を間違えないと信じているよ。君を守ってあげられるのは世界でたった1人。私だけなんだ｣
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作者名：まゆ
| 作成日時：2021年6月4日 9時
