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〜A〜
日浦「Aちゃーーん」
「痛い……」
勢いよく飛びつかれて首がボキッて鳴った
忍田「えーーっと……大丈夫か?」
「まぁ何とか。茜ちゃん。これ生身だからいきなりはやめて?」
出水「(普段弓場さんにやってんじゃん)」
那須「さっきのトリガーってAちゃん?」
「そうです。ごめんなさい」
香取「責めてないわよ。驚いただけだし」
「それならいいや。ところで真史さん。褒め言葉とかいらないので、ボーナスください。佐野屋の新作。今日からの新作」
忍田「私も朝からここにいたのだが?」
「えーー。じゃあ克己さん」
唐沢「明日買ってくるよ。って、使えないなコイツみたいな顔するのやめてくれるかな」
「いやいや。そんな別に」
不破「話し中悪いんだけど。通してくれるかな」
「あ、はい。ごめんなさい」
前が見えなくなるほど山積みに紙を運ぶ人って現実にいるんだ
これは手伝ったほうがいいのだろうか
とか思ってると、絶妙なバランスで積まれていた山は悲惨な事に雪崩が起きた
沈黙の中、全員が床を見つめるという奇行
「1人でこの量を?大変ですね」
不破「別に。どこの誰とは言わないけど、女子中学生に好意を抱いては仕事をほっぽり出す営業部長の分が回ってきてるだけだから」
「言われてますよ克己さん」
唐沢「ほんとごめん。悪いと思ってる。運ぶの手伝うよ」
不破「大丈夫です。拾ってくれるだけで」
もはや上司として期待してない
唐沢「不破くん。その手に……」
不破「資料ですか?」
唐沢「そっちじゃなくて。手に下げてるほう」
不破「佐野屋の新作ですけど」
唐沢「それさ。俺が買い取ってもいいかな」
不破「嫌ですけど。自分で買いに行けばいいじゃないですか」
全くのド正論
「そうだお兄さん。如月さんに伝えておいてくれますか。今は大丈夫だよって」
不破「………………は?」
「お兄さん。如月の人でしょ?その胸のバッチ。如月の社員だけが付けれるやつだし」
満月は如月の象徴ともいえる
エンブレムのようなものだ
その事を知ってるのは“そっち側”の人間で、如月に属する会社に勤める人は全員、付けることが義務化されている
平たく言えば桧谷と区別するため
私は何度か廊下ですれ違っていたし、いるなぁぐらいにしか思ってなかった
どうせお互いに面識なかったし
それに何かされたわけでなかったから私にとって一つも害はない
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作者名:まゆ | 作成日時:2021年6月4日 9時