モノ忘れのコイ (ページ44)

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だけページ44

.side Prince

岸「もっとはやく言えばよかったな」

「もっとはやく言われてたら、逃げてたかも」

岸「そうなの？よかったー」

Aちゃんと視線を合わせて首筋を両手で抱いた。

岸「逃げないでね」

「逃げないよ」

岸「初恋は叶わないはずなのにな。叶っちゃった」

「神童に不可能はないってことなんじゃないの？」

岸「バカにしてる」

「してないよ。半分だけ」

岸「半分してるじゃん」

お互い笑って、ついばむようなキスを一度だけした。

ゲレンデの一角にいるだけなのに、いまこの瞬間は俺達が中心にいるような錯覚を覚えた。

岸「好きだよ、Aちゃん」

「うん」

岸「ずっと好きだったんだ。同窓会で会って、また好きになった」

Aちゃんが初めて俺を好きになってくれる前に

俺はもう一度、キミを好きになったんだよ。

「うん.........ありがとう」

何回でもキミを好きだと言いたい。

ずっと抑制していた分、歯止めが効かなくなってしまった。

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