万里の兄貴って本当ですか?2【男主】

第71話 ページ24

いづみ 視点

休憩明けも千里くんは変わらず、厳しくも的確なアドバイスを出していく

様子を見に行った幸くんと真澄くんもなんかさっきと態度が変わってて、どこか上の空だった


『幸、真澄、何回も同じこと言わせんな。そこ腕もっと高く』

幸「うん」

真澄「…」


こんな感じが続いてる…

大丈夫なのかな…でも、最初より断然よくなっている…


『幸!!』


いきなり千里くんが叫んで、ガランガランッと音がした

見ると幸くんが壁に立てかけてあった木材にぶつかってしまい倒れてきたらしい


「幸くん大丈夫!?」

幸「俺は平気…でも、千里が!!」

「千里くん!!頭から血が出てる!!」

『幸!!いい加減にしろ!!集中してないからこうなるんだ!!』

幸「ごめんなさい…」

『怪我ない？公演まで時間ないんだし、足ひねったりしてたら大変だから、違和感あったらすぐ言って!!』

「千里くん早く手当!!」

『ほかの奴らも同じ。なんかあったらすぐ言って。あと、今日はこれで終わりにするから。各自確認しとくこと、以上』

幸「千里、ほんとにごめんなさい」

『別に幸が怪我したわけじゃないならいいよ』

幸「でも、アンタも仕事あるでしょ」

『僕はしばらく楽曲作成だけだから別にいいよ。それより、今日言われたことちゃんと次回までにできるようにしといて』


そう言って千里くんは手当も受けずに帰ってしまった


「最後の千里くんはいつもの千里くんっぽかったね…」

幸「ほんとに大丈夫だったのかな…」

至「千里、四白の寮に向かってる？」

「多分そうだと思います」

至「怪我してんだよね、すぐ追っかけるわ」

「お願いします!!」


千里くんのことは、至さんに任せよう…


「幸くんは怪我してない？」

幸「俺は平気、木材片付けよう」

「幸くんは千里くんの事どう思う？」

幸「今日の千里？いつもと違うとは思ったけど…休憩の時千里泣いてたんだよね…」


千里くんが？


幸「なんか悩んでるのかも…あず姉と一緒だった」

「東さんか…」


千里くんの悩み事か…
また溜め込んで無理しないといいけど…

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