検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:24,262 hit

16 ページ17

「俺は誰かさんみたいに油断したりしないぜ?本気でかかってこいよ!」


そういって鉄製のヌンチャク、つまり鉄双節昆を回し始める。

あれをまともに食らえばあざでは済まないだろう。確実に骨折する。



Aは苦無を構えた。



どちらも接近戦に向いた武器だが、鉄双節昆は振り回せる分攻撃範囲が広い。


しばらくお互いにらみ合う。



「どうした、かかってこい!」



しびれを切らした留三郎は叫ぶ。

それでもAは動こうとしないので一歩踏み込んだ。

Aが一歩下がる。



なんだ、怯えちまって動けねえのかよ。

留三郎が落胆し、一瞬気を抜いたすきにAは懐から鍵縄を取り出し、その縄をヌンチャクに向かって放った。


回転するヌンチャクは自ら縄に絡みつき、動きを封じられる。


「あ、くそっ!」


そのまま留三郎の腕ごと縛り上げた。


それでも懲りず、左手で苦無を取り出しAに向かって走る。



今度は逃げなかった。




留三郎の素早い一振りを苦無でかわす。


最初は劣勢に立たされていたかのように見えたAだが、今や完全に形勢逆転している。



「おーい、留三郎、いい加減降参しろよ。」


「うるせえ、文次郎は黙っとけ!」




そういえば、と本気を出しすぎるなと言われていたことを思い出す。


ついムキになってしまっている自分に気付き、慌ててそれにふたをした。




ごく自然にかわし切れなかったふりをし、留三郎に勝利を譲った。



「っしゃ、ざまあみろ、勝ったぜ!おい文次郎、見たか?俺片手で勝ったぜ?」



そこにふいと現れた仙蔵が泰然と言った。



「あからさまに、お前勝たされてただろう。あれほどわざとらしくよけ損ねていたのに気づかなかったのか?」



こんなことを言われて、彼がああそうかと反省するわけがない。


「なんだと仙蔵、わざとらしかろうが何だろうが、勝ったもんは勝ったんだよ!!文句あんのか!」



「まあいい、あとで困るのはお前だ、留三郎。」



そういうと仙蔵はさっそうと立ち去った。




「なんだよ、気取っちゃって。」


「まーでも今のは、さすがに私でも気づいたぞ?」


これまた、どこからか現れた小平太があっけらかんと言い放つ。


「...見透かされましたか。」



「おい、事実なのかよ、本気でかかってこいって言っただろうが!!」



「ははっ、どうせ負けてたんだから、どっちだっていいじゃないか。細かいことは気にするな!」

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
設定タグ:忍たま , タソガレドキ , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

めりかもち(プロフ) - ネコさん» ごめんなさい、非公開にしてたんです、修正箇所があったもので・・・ (2017年3月14日 14時) (レス) id: b21596c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ(プロフ) - 13話はないんですか? (2017年3月13日 18時) (レス) id: e74d9a9bc5 (このIDを非表示/違反報告)
めりかもち(プロフ) - yukiさん» わざわざありがとうございます! (2017年3月13日 13時) (レス) id: b21596c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
めりかもち(プロフ) - そうです、ありがとうございます! (2017年3月13日 13時) (レス) id: 62949f6d7f (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - イベントの開催者です!こちらの作品で合ってますか? (2017年3月12日 14時) (レス) id: af8dad474e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めりかもち | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/merikamochi/ninntama  
作成日時:2017年2月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。