[ 限 / 界ﾒﾝﾊﾞｰ ] 疫病神と限界さん (ページ4)

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その日は、お礼も何も言えず家に帰ってしまった。
　彼らに話しかけるチャンスを狙って、電柱に隠れていたため手はすっかり温度を無くしていた。
　家で暖かい水に手を浸し、一息吐く。

　やっぱり、お礼って言わなきゃだよね。

　自分でもそう思うんだ。どう、言おうかな… 。話しかけたらきっと迷惑だろうし。

　何で、私を助けてくれたかも分からない。
　今日、急に、しかも突然に。唐突に会って、偶然彼らもそこに居て、偶然に偶然が重なって。
　土日もあるから、ゆっくりと考えよう。

　今日はお風呂に入って、勉虚して寝よう。

　＊＊＊

　私の唯一の取り柄は勉強だ。
　学年でも結構なテスト順位をとっており、小学生時代親にも褒められた ……小学生時代だけね。

　だから、今でもこうして頑張って報いを待っている。

　＊＊＊

　土日考えた末、結果は手紙という事になった。

　次は四時限目。移動教室だ。
　ギリギリ且つ、最後に教室を出、その前に彼ら四人の机に手紙を入れておく。

　
　最後の一人、教室を出て一安心する。

　何とか、お礼の手紙を渡せたのだ。

　急ぎで次の授業の教室に向かう。

　『うっ ... 』

　行く途中、” 彼 ” と会ってしまった。鉢合わせって奴だ。
　... 確か、彼の名前はたらこさんだ。

　あだ名、それだった気がする。本名、知らない。

　た「あ、Aさん !! 教室の鍵持ってる - ? 忘れ物したから～」

　へへ、と整った顔立ちで笑う彼。世間一般で言う、イケメンだ。

　『ぁ、えと .. 持ってます ... どうぞ、』

　
　た「ありがと、と .. Aさんノートどしたの ? 」

　え?と思い自分の手元を見ると、ノートを忘れていた。今日提出の。

　鍵だけ渡してさっさと教室まで向かおうと言う私と言う名のコミュ障の計画は潰され、彼と一緒に教室まで向かうことに。

　