[ 限 / 界ﾒﾝﾊﾞｰ ] 疫病神と限界さん (ページ28)

今日:17 hit、昨日:9 hit、合計:45,023 hit

024 ページ28

誰かの声で起きる。

　綺麗な清潔感のある部屋。保健室 ... か。

　『誰も居ない ... 』

　保健室にある鏡で自分を見る。
　目、赤く腫れてる ... 。
　そういえば、図書室であろえさんに相談乗ってもらって、私泣いちゃって ... 、あれ ? 何で私保健室に居るんだろう。

　校庭に生徒は誰一人居ない。

　保健室のベッドの隣のテーブルに、私の通学鞄があった。
　その隣に、靴も。

　『帰るか ... 』

　鞄と靴を持って、昇降口まで行く。
　あ、保健室の鍵閉めるの忘れてた ... まあ、先生来るからいいかな。

　それにしても、やっぱり学校全体が寒い。

　誰かが戸締まりを忘れたのか、窓から隙間風が来てる。
　開いていた窓を閉め、また昇降口まで歩く。

　靴を履き替え、校門まで歩くと何人かの見覚えのある生徒の姿。

　... あ、彼らだ。

　『あ ... ! 』

　あ「 A 、大丈夫だった ? 」

　『はい。さっきは有難う御座いました。』

　げ「え ? 何々、何が有ったの !? 」

　あ「何もない何もない w 」

　た「ほら ! あろえも抜け駆けしてんじゃん !!! 」

　ぐ「原人 !! 俺らもしていいって事だよな !? 」

　... 何を話してるんだろう。

　『えっと、一緒に帰りませんか ? 』

　私が聞くと、彼等は笑顔で返してくれた。
　寒い帰路だって、彼等が居るから暖かく感じたのだ。

　＊＊＊

　皆近所と言っても、ちょこちょこ分かれ道が違う。

　最後は、私とあろえさんで二人になるのが常。

　
　あ「バイバイ。それと、俺だけじゃなくて限界なら誰に言っても良いからね。皆頼られたいし。
　あいつら、意外と良い奴だから。」

　
　『 ... はい、』

　コップ並々に注がれてた水は、溢れずに消えたみたいだ。

　... でも、毎日コップにまた悩みを注がれる。