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地鳴り ページ1

Aside


 よく分からないけど、精神を落ち着かせる為に大丈夫、大丈夫、と自分の中で言った。


 『 今まで一人で生き抜いて来たでしょ ... 私は百戦錬磨の者 .. こんな事じゃへこたれない ..
どれだけヤバい奴に絡まれても結局解決になっていた ... 』


 安心させる為に、自分を落ち着かせる為に。この状況から脱する策を考えられる脳にする為に。


 でも、気付いてしまった。


 私がどんな危機に瀕しても、救われて来たのは周りの人のお陰だって。


 特に、らっだぁ君、緑君、きょーさん、れうさん、コンちゃん。


 私は一人で解決してきた訳じゃないって。

 
 何今更気付いたんだろう。私はただ、泣いて助けを待っていただけの人間にすぎなかったんだ。


 百戦錬磨なんかじゃない。ただの弱い者。


 『 .... 今回こそは、頼らず焦らず自分で解決しなきゃ 』


 また、ドアを開けようと試みる。

 
 やっぱり駄目だ。次は窓。


 『 これ位なら何かで割れそうだね .. 』


 何か硬い物が無いかと探す。


 椅子 ... ? いや、手荒すぎるね .. この際そこはどうでもいいかな。


 椅子を持って窓に投げようとしたその時、地鳴りがした。

 
 遅れて、地震ではないのだけれど、何だか揺れた。


 窓の奥では、遠くに、物凄く遠くに黒煙が見える。


 ....何が、起こったのだろう。

非常事態→



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作者名:樽狸 | 作成日時:2019年3月21日 11時

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