地鳴り ページ1
Aside
よく分からないけど、精神を落ち着かせる為に大丈夫、大丈夫、と自分の中で言った。
『 今まで一人で生き抜いて来たでしょ ... 私は百戦錬磨の者 .. こんな事じゃへこたれない ..
どれだけヤバい奴に絡まれても結局解決になっていた ... 』
安心させる為に、自分を落ち着かせる為に。この状況から脱する策を考えられる脳にする為に。
でも、気付いてしまった。
私がどんな危機に瀕しても、救われて来たのは周りの人のお陰だって。
特に、らっだぁ君、緑君、きょーさん、れうさん、コンちゃん。
私は一人で解決してきた訳じゃないって。
何今更気付いたんだろう。私はただ、泣いて助けを待っていただけの人間にすぎなかったんだ。
百戦錬磨なんかじゃない。ただの弱い者。
『 .... 今回こそは、頼らず焦らず自分で解決しなきゃ 』
また、ドアを開けようと試みる。
やっぱり駄目だ。次は窓。
『 これ位なら何かで割れそうだね .. 』
何か硬い物が無いかと探す。
椅子 ... ? いや、手荒すぎるね .. この際そこはどうでもいいかな。
椅子を持って窓に投げようとしたその時、地鳴りがした。
遅れて、地震ではないのだけれど、何だか揺れた。
窓の奥では、遠くに、物凄く遠くに黒煙が見える。
....何が、起こったのだろう。
183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:樽狸 | 作成日時:2019年3月21日 11時