９６: 笑って ページ46
ガラにもなく泣いてしまったところを見られたのはちょっと恥ずかしいけど、ライブは無事に終わって、普通に後半戦にも進めた。
奏にはなるべく良い舞台をあげたかったからなかなか良い成績で後半戦へ進めたのは嬉しかったし、実際ライブも大盛り上がりだった。
後半戦のライブは流石にお客さんも多くて、泣かないように堪えるのが大変だったけど。
「いやー寒かった」
奏「ほんとにもう…クリスマスに雪が降ってるって寒くないわけないよね」
２人で笑い合いながら、Knightsを見るべくステージを見つめた。
キラキラ輝くサイリウムも、これで見納めだ。
なんてそんな事を考えているとまた泣きそうで、ステージにだけ集中しようと頭を振った。
ーーーレオside
Aが抱えていたものは、予想以上に大きいものだった。
Aが見つかった事でメディアはまた天祥院財閥を取り上げ、テレビの画面越しに見るAは何だか変な感じがした。
誘拐なんてされることなく真っ当に育っていたら、出会うことも無かったんだろうか…
だとしたら、Aには悪いけど誘拐されて良かったと思ってしまう。
その考えに思わず苦笑すると、セナに声を掛けられた。
泉「『王さま』、行くよ。………Aに１番輝いてるところを見せたいんでしょ？」
月「ああ。行こうKnights、キラキラ輝く聖夜だぞ！」
後ろの４人に声を掛け、キラキラ輝くステージへ飛び出した。
A
見ているか？聞いているか？
これこそが、Knightsこそが、お前がおれに託した『青春』だ。
ここに居たのは、笑っていたのはもしかしたら自分だったかもしれないのに…
とんだお人好しだなぁって思うのはおかしくないよな？
青春を捨てたお前の代わりに、おれがここで笑うから。
心配しないで…新しい場所で笑ってほしい。
月「愛してるよ〜っ！」
一際大きな歓声が、広い会場に響き渡った。
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年12月14日 3時
