９２: 最後に ページ42
会う度に悲しそうに笑うレオを見るのが辛くて、仲直りはしたはずなのにした気分になれない。
そんな中で、最後に自分の相棒…奏に会いに行け、と渉に教室を追い出されたのだった。
２年生のフロアまで行くと流石に視線を集めるので、早いこと話をしようと2-Bの教室を覗き込んだ。
晃「あ？Aセンパイ、誰かに用事か？」
「おー晃牙。奏、呼んでくれる？」
晃「おう、ちょっと待っててくれ」
微笑んで頷き、手を振ってくれる凛月と真緒に笑いかける。あの話を目の前で聞いていたはずなのに普通に接してくれるのが嬉しかった。
歩み寄ってくる奏も、いつもと変わらない…様に見えた。
奏「内容は大体分かってるから、今ここで手短に話そう」
「強引だなー……まあそれなら話が早いや」
いつも通りの微笑みを浮かべて言ってくる奏に苦笑を零して、ちゃんと正面から向き合う。
左右違う色の瞳が、ジッと見据えてくる。
「………奏は、どっちがいいと思う？その１、今のまま国内でたまにライブをする。その２、解散してそれぞれ新しく活動を始める」
奏「ちょっと待ってくれる？全っ然、今終わる話じゃないんだけど」
「どうする？考えておくか？」
ごく軽い口調で言ったのに、腕を組んで考え込み始めてしまった。あんまり真剣に悩んでいるものだから、少し慌てて声をかける。
「別にそんな深刻に悩まなくていいよ。なんなら家のツテでユニットの１つや２つ組ませてあげられるだろうから言っただけ」
奏「じゃあ、もう少し考えてもいいかな？今日の帰りまでに答えは出すから」
「ああ、分かった」
ごめんね、と笑う奏の頭を撫でて微笑んだ。
謝るのはこっちの方なのに、なんでそっちから俺に謝るんだ。
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年12月14日 3時
