１４４: 後悔させない ページ44
「零さん、卒業しちゃうんですか？」
零「なんじゃい藪から棒に」
当然だとばかりに苦笑する零さんを見て、少し悲しくなる。
スタフェスも節分祭も無事に終わり、もう花々が蕾を膨らませては咲き誇る季節。
３年生は、卒業してしまう。
兄さんとはいつでも会えるけど、零さんも泉くんも、もちろんレオくんも簡単には会えなくなってしまうのだ。
胸が苦しくなって、考えるのをやめた。
零「寂しいのかえ？」
「そりゃもう、胸が張り裂けそうですよ…」
零「それはいかんのう。まだ死んではならぬよ」
「あははっ、もちろん生きていきますけど」
軽音部室に２人きり。会話が弾む訳でもなく、お互いが自由に過ごしていた。
零さんは棺桶の上に寝転がり、僕は五線譜を片手に窓の外を眺めている。春の陽気に当てられてか、どこかボンヤリとしてしまう。
窓際から離れると、零さんが起き上がっていて少し驚いた。微笑んでこちらを見るその目はあくまでも優しい。
零「おぬしの兄…日々樹くんから頼まれただけの事が、こんなにも大切になるとはのう…」
哀愁漂う表情に見つめられ、ぐっと言葉に詰まった。
零「まだ導いてあげたかったがここまでじゃ。１人で歩いていくしかない。それが出来るように育て上げたつもりじゃしのう」
「僕は…」
『独りぼっちになるしかないんですか』
そう聞こうと思って、やめた。それが自分の選んだ道だ。出来ると思っているし、やり遂げてみせるという意思もある。
せめて…零さんに、レオくんに、泉くんに、兄さんに幻滅されないように立っていよう。
顔を上げて、笑顔を見せた。
「絶対に後悔させません。あなたが、愛してくれたこと。返礼祭で、ちゃんと全部伝えますね」
零「それは楽しみだのう…♪」
珍しく無邪気な笑顔を浮かべる零さんを前にして、涙が溢れないよう、必死に堪えていた。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
