63 相談 ページ13
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前に里へ来た時はもてなす側だったので、もてなされるのは何だか変な感じがしたけれど夕餉をさっさと済ませ、鉄穴森さんを探しに歩いた。
結局は鍛冶場にいる所を見つけ、もう夜ですから帰りましょうと声を掛けてその場を後にした。
道中、私がなかなか話を切り出せずにいる所で鉄穴森さんから声を掛けられる。
「鉄井戸さんの遺言通り、剣士になったのですな」
「あはは…人生最大の決断でしたね。………あの、相談があって」
「何でしょう?」
「あの、ですね…思いつきだし上手くいくか分からないし、余計な手間を掛けさせますし、面倒だったら遠慮なく断って下さって結構ですからね」
「は、はあ…」
戸惑った様子でもう一度「何でしょうか」と尋ねられ、躊躇いながらも口を開いた。
「実は______」
ーーー
里に来ると何だか『帰って来た』心地になって寛いでしまい、仏壇の前でボーッとしてばかり。
ただそれだけでは此処に来た意味が無いので何かしようと思って絡繰人形を見に行く事にした
……のだけれど。
「小鉄?炭治郎?え…何してるの、あなた達」
「Aさん!」
「A!」
よく分からないけど絡繰人形の頭部が破壊されていて、すぐ側にはボロボロの刀と地面に蹲る2人。
奇妙な光景に眉を寄せると、小鉄が思い切り飛びついて来た。慌てて抱き留め、わんわん泣き声を上げるのを宥めるように背中を撫でた。
それを不思議そうに見つめる炭治郎に短く説明すると、物凄く驚かれた。いや当然だけれども。
「いきなり書き置きだけ残して消えるからすっごく心配したんですからね!わあぁあんっ」
「ご、ごめん!うぅ…泣かないで〜」
涙を拭う小鉄の頭をよしよしと撫でていると、炭治郎は労るような優しい口調で言う。
「何かこう…複雑だったんだな、Aの人生は」
「複雑……あははっ、確かに」
笑って見せると炭治郎も花が咲いたように笑って言葉を重ねた。
「良かった。Aはそんな風にも笑えるんだな!笑った方が良いよ、笑顔が似合う!」
「ふふっ、炭治郎には及ばないよ」
炭治郎ほど笑顔が似合う人物はなかなか居ないんじゃないだろうか。
そしてその笑顔は、周りの人をも笑顔に出来るのだから凄い。
そして、突如そこに鋼鐵塚さんが現れたりしてその場はバタバタになった。
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瑠璃烏(プロフ) - いちごぱふぇさん» (今更かよって感じですが返信させて頂きます(ー ー;))ありがとうございます!こういうチートキャラ的なの書いてみたかったので作者も楽しかったです。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年7月28日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ(プロフ) - ああもう好きです!!!!好きすぎて好きが止まんないですどうしてくれるんですか! (2020年7月7日 20時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ゆりなんぽんさん» ぜひ拝読させて頂きます!改めて、最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年4月20日 22時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - manamimoon0511さん» ありがとうございます!楽しんで頂けたのなら本望です(´∀`*) (2020年4月20日 21時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
manamimoon0511(プロフ) - 凄く面白かったし素晴らしかったです!!ほんっとに有難う御座います!!!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 0aa1fe61f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃烏 x他1人 | 作成日時:2020年4月2日 10時