45 お見舞い ページ45
NOside
心臓が動いていることを確かめる機械音が、呼吸音と共に規則正しく病室に響く。
Aが眠るベッドの側の椅子に腰掛けてそのぎゅっと手を握りしめるのは兄である天満。
酸素吸入器と点滴を繋がれている様子は、明らかに��病人��だと分かる。
その清潔で静かな病室に、不意にノックの音が響いた。
「失礼します。Aくんのお兄さん…でしょうか」
「はい。武田先生と…烏野の皆さんですよね。ありがとうございます、試合が終わったのって一昨日でしょう？」
武田の後ろに集まっている烏野の部員たちは、思い思いの返事をする。そして次の瞬間、武田が深く頭を下げた。
戸惑う天満に、武田は謝罪の言葉を述べる。
「申し訳ありませんでした。教師、そして監督という任を負いながらAくんを命の危険に晒してしまった…本当に、申し訳ありませんでした」
「そんなっ…きっと弟が無理を言ったんでしょうし！顔を上げて下さいっ」
控えめに頭を上げた武田は、続けて躊躇いがちに尋ねる。
「今のAくんの容体は…」
「ああ、今は眠ってるだけです。普通に話せますし、落ち着いてます」
それを聞いて、烏野の部員たちは安堵のため息を零した。
訪れた沈黙を破るように、今度は日向が少し涙目になりながら口を開く。
「あ、あのっ…おれ、気付いてたのに…先輩が体調、悪いの……ごっ、ごめんなさい！」
思い切り頭を下げる日向に慌てた天満が口を開こうとした時、思わぬ声が病室に響き、全員がバッと顔を上げた。
「翔陽のせいじゃないよ」
「Aさんっ！」
「「「「「「A！」」」」」」
「あははっ、皆んなありがとう、疲れてるだろ？」
笑顔を見せるAの元に全員が一斉に駆け寄り口々に声を掛け、騒がしく愉快になった病室に、天満も笑みを浮かべる。
数人に支えられながらゆっくりと身体を起こしたAは日向に笑顔を向ける。
「皆んな凄いな！あの青城とデュース30点代まで争ったんだって？」
「…でも、負けました」
「……翔陽、春高では絶対全国行ってやろう」
涙ぐむ日向の頭をいつもの様に撫で回すと、日向は今にもしゃくり上げそうになりながら頷いた。
それから暫くは、武田が静かにしなさいと注意するまで騒がしく楽しげな会話が病室に満ちた。
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瑠璃烏(プロフ) - 麗さん» 本当だ！！！コメントに気付くのが遅れ申し訳ありません！まさかこんな間違いがあるとは…！ご指摘、有難うございます。 (2020年11月6日 13時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 猛虎です。武虎になって別人が出来上がっていらっしゃいます。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 龍之介です。龍之助ではないです。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - 瑠璃烏さん» 続編!？やったぁ！嬉しいです！ (2020年2月10日 7時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 幸ぴろさん» 典型的な��落として上げる��方式ですね(w)続編いきますので、まだまだお楽しみ下さい！ (2020年2月7日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 x他1人 | 作成日時：2020年1月17日 3時
