37 言い逃げ ページ37
「それは……ほんとか?」
「うん。冨岡さんの継子になる事にした」
部屋に戻ってから、すぐに3人に打ち明けた。言うべきかなんて迷ってたら3人とも勘付いてしまうだろうから。
でも3人は案の定、ショックを受けているようで。
炭治郎と善逸は一緒に任務もしたんだから当然かもしれないけど…
置いて行かれたくない、悔しい、行かないで欲しい…そんな事を思っているんだろうか。それはよく分かる。でも理解して欲しい。
「私…戦ってる間の記憶が無いの。それじゃ駄目なの。自分の意思で刀を振りたい、戦いたいの。冨岡さんはきっとそうしてみせるって言ってくれたの。だからっ…
「Aちゃん!」
応援して欲しい、と続けようとした声を善逸に遮られた。
と思ったらいきなり手を掴まれて、部屋から連れ出される。何処へ行くのか聞く事も出来ないままで、ただ掴まれた手の熱が上がっていく。
月明かりが照らす廊下で突然立ち止まった善逸の背中にぶつかってしまった。
ドキドキと脈打つ胸を押さえて、赤くなっているであろう顔を隠すように俯く。途端に、握られている手の力がグッと強くなった。
「あ、あの…善逸…?」
「俺は…Aちゃんが天才だって知ってた。君はもっと上に居るべき存在なんだってずっと前から気付いてたよ」
「! 善逸、泣いてるの…?」
「ねえ、今までと変わらないよね?継子になっても…一緒に任務行けるよね?また一緒に金平糖食べながら話せるよね…?」
ポロポロと涙が零れて、善逸の頬を濡らす。余りにも不安そうなその表情に、何も返すことが出来なくて。
ただ、私より少し高い位置にある頭をそっと撫でた。
「ッ…こんな事、言っちゃ駄目だけどっ…行かないで欲しいんだよ……」
「……善逸、私のこと好き…?」
「っ好きだよ。もっと色々話して、一緒に任務行って、隣にいて欲しいんだ…!」
その瞬間、何かがストンと落ちたように理解した。
私は……
「善逸…好きっていうのは、私を女の子として見てくれてるってこと…?」
「ぅ……うん、そうだよ。好きなんだ」
ぐっと詰め寄られて顔が近くなり、顔に熱が集まる。
善逸、こんなにカッコよかったっけ…?
目を合わせられなくなって、パッと下を向いた。すぐ側で戸惑う気配がして、か細く、小さく小さく声を出した。
「…ゎ……私、私も……」
「え…?」
「っ好き!」
顔を上げて大声で叫んで、その場を一目散に駆け出した。
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瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時